ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

東電勝俣元会長、武藤元副社長、武黒一郎元副社長を起訴相当に追い込んだ福島原発告訴団団長武藤類子氏

 「ああ。不義のおきてを制定する者、わざわいを引き起こす判決を書いている者たち」(イザヤ10:1)。
 2014年9月27日の東京新聞に、「女の戦い、日常の中から」という見出しで、福島原発告訴団団長の武藤類子氏に論説委員の佐藤氏がインタビューし記事が載っていました。

画像はマガジン9:http://www.magazine9.jp/からお借りしました。
 武藤氏は福島県三春町出身。福島原発から45キロ離れた所で喫茶店をやっています。自ら開墾して建てた喫茶店は、著書『どんぐりの森から〜原発のない世界を求めて〜』に、写真入りで詳しく載っています。
 武藤さんはここで3・11を経験しました。そして原発地震津波による電源喪失の事を聞き、すぐ山形まで逃げました。しかし一緒に連れて行った母親が避難生活に耐えられなくり、結局二人で三春町まで戻りました。この原発事故以来武藤さんの生活は激変しました。その背景には1986年のチェルノブイリ事故への衝撃があり、早くも5年後には脱原発福島ネットワーク設立への参加、次いで廃炉を求める「ハイロアクション」立ち上げ準備をしていた事などが挙げられます。その6か月後東京明治公園で行われた「さよなら原発集会」で、有名になった「私たちは静かに怒りを燃やす東北の鬼です」という言葉が生まれました。ちなみに私もこの集会、約40年ぶりに参加し、デモ行進に加わりました。
 インタビューで武藤さんは、その後の東電や国の対応が理不尽で、被害者があまりにもバカにされており、事故の事が何も解決されていないのに、原発再稼働の話が出て来て、元通りの生活がつくられようとしており、加害者の責任が全く問われていない、と言っています。加害者の責任が問われない、その怒りは、原発廃止を求める私たち全てが共通して持つ怒りでもあります。
 それで2012年3月16日福島原発告訴団結成と共に、その団長となり、6月に第一次告訴を福島地検に対して行いました。翌13年には第二次告訴がなされました。
 ところがです。2013年の9月9日突然この案件が福島地検東京地検へと移され、即不起訴処分が出されたのですが、それはインタビューによると、東京五輪の誘致が決まった翌日の事だったそうです。ここにも五輪優先、福島切り捨ての構図が見えます。
 『どんぐりの森から』は、この告訴の過程を詳述しています。しかしこの本は2014年5月に発行され、その後は記されていません。その1か月前の4月、最高裁の長官に寺田逸郎氏が就任した事はブログに書きました。
 そして2014年7月31日、東京第五検察審議会は、初めて勝俣元会長らの起訴相当という、画期的な議決を出したのです。

 静かに怒りを燃やす東北の鬼は、「本当にうれしかったですね。希望になりました」と言っています。私たちも全く同感でした。右起訴相当者たちの画像はhttp://www.47news.jp/47topics/e/255812.phpからお借りしました。
 振り返ってみますと、「女の戦い、日常の中から」は、地道な運動を持続させて、こうした成果を生み出したわけです。静かな怒りを燃やす女は強い。私のような男はどうも弱い。反省しきりです。