福島県浜通りに吹く大風
「そこへ荒野のほうから大風が吹いて来て、家の四隅を打ち、それがお若い方々の上に倒れたので、みなさまは死なれました。私ひとりだけがのがれて、あなたにお知らせするのです」(ヨブ1:19)
これは荒野から吹いて来た大風で、家が倒壊し、人が死んだという個所である。おそらくアラビア砂漠の何もない平原だろう。ヨブの苦難の始まりである。
では福島県の浜通りに冬場吹く大風はどのようなものか。それも実は台風並みなのである。
それを知らないで引っ越して来て、友人から買ったソーラーパネルを8畳間の外に出しておいたら、およそ倒れる事はないと思っていたのに、倒れて相当傷つけた。
それからはこの冬場の大風を相当警戒して来たつもりだった。我が家は隣の家々と密に隣接してはいないので、もろにこの大風の影響を受ける。うなり声を上げて吹きまくる。家が時々揺れる。台風と引けを取らない。下図参照。オホーツク海あたりを発達した低気圧が通過中。
また湾岸を東に進む低気圧もそうだ。これがいわき市あたりでは、長時間にわたって吹く。
昨年12月教会の或る人から、自転車3台が置ける駐輪場を作って欲しいという要請があった。私が築59年になる家をずっと修理してきたのを知っていたからである。
それを簡単に引き受けたのが間違いだった。
ネットの情報を駆使して、単純な形のものを単管パイプを使ってやってみようと思った。初めての試みだったが、途中までは楽しくやれた。
ところが教会の外構を専門にしているIさんから、これでは浜通りの大風が吹くと、基礎ごと吹き飛ばされてしまうと忠告された。顔色が青ざめた。
以来正月休みも返上し、朝から晩まで対策を練った。Iさんは御影石の上にピンコロという単管を通す穴のあるコンクリブロックだけでは駄目なので、コンクリを流すか、支柱の単管の隣に、もっと長い単管を添えてクランプで一緒に結び付ける必要があると言った。
依頼者はここのアパートを借りており、大家さんの許可は得たものの、そう簡単にコンクリなど流すわけには行かない。それで自在の単管用クランプを用いて、斜めに単管を打ち込んでみた。これが効くのかどうか全く分からない。
しかしここまで来て諦めるわけにはゆかない。「塔を築こうとするとき、まずすわって、完成に十分な金があるかどうか、その費用を計算しない者が、あなたがたのうちにひとりでもあるでしょうか。基礎を築いただけで完成できなかったら、見ていた人はみな彼をあざ笑って、『この人は、建て始めはしたものの、完成できなかった』と言うでしょう」(ルカ14:28-30)というみことばがあったからである。こうなると、考え抜いた後は全て神に委ねるしかない。
写真のようにピンコロ石の周囲をコンクリで固め、斜めに単管を打ち込む作業をもって、現在基礎の工事が進行中である。ポリカ波板の笠ネジを打ち込む事も急いでやっている。1月11日から断続的に吹いている大風の時は、ただ祈るしかなかった。次の日飛ばされていないのを確認するとほっとし、主に感謝した。
時間と金のかかる私的な仕事だが、もはや神の栄光を辱しめない事だけ考えている。
これも他のブログ閲覧の時間がない理由である。いつも見てくれている方々に申し訳ないと思っている。