ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

糖尿病患者の骨格筋減少の原因

「その肉は衰え果てて見えなくなり、見えなかった骨があらわになる」(ヨブ33:21)

 昨年の夏は猛暑だった。そして12月の末近くなっていきなり酷寒になった。こうした気温の大きな変化で、教会に通う人々の多くが病に倒れた。

 私も8月、ちょうど糖尿病専門のクリニックに変わった頃から、体調を大きく崩した。糖尿病の進行状態の目安となるHbA1cが、正常値を5・8以下とすると、8から下がらなくなっていた。医者は高度な専門医で、高カリウム血症にもなっている事を、初めて指摘してくれた。

 厳しい食事制限の中、あるミニコミ誌から知ったのは、糖尿病が進むと、筋肉が減るという現象である。サルクス=肉・筋肉と、ぺニア=不足とが合わさった、サルコペニアという医学用語である。*サルコではない。新約聖書にもよく出て来るが、発音はサルクスである。

 歩行速度、握力、骨格筋量指数などを組み合わせて診断されるが、ネットの情報では「両手の親指と人差し指で輪っかを作り、ふくらはぎの最も太い部分を囲むこと」で、おおよその見当がつくそうだ。その隙間が大きいほどサルコペニアの可能性が高い。実際やってみて、自分の場合スカスカなのだ。

 これで腑に落ちた。体調が悪化したのは、体がふらつき、文字どおり地に足がつかない状態になったからだ。出来るだけ背筋を伸ばし、真っ直ぐ歩こうとするが、そうならなくなったのだ。

 胃がなく、腸からの吸収力が悪いので、検査では貧栄養に近く、体重が増えない。だから栄養士は特に豚肉の、それも油のあるものを多く摂取するよう勧めてくれている。

 そうこうしているうち、19年2月22日の新聞で、神戸大学の研究チームが「糖尿病患者の筋肉減解明」をしたという記事が出た。

 私はほぼ常時300近い高血糖の状態だが、マウスでの実験では、それが引き金になって、筋肉が減少するという。つまり高血糖そのものが、骨格筋の減少を引き起こすという、全く想定外の仕組みをチームは解明したそうだ。WWP1とKLF15という2つのタンパクの働きを通し、そうなるという。概要は神戸大学の研究から分かる。(http://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2019_02_22_01.html)詳細は(https://insight.jci.org/articles/view/124952

  前者は日本語による概要、後者は英語の論文。論文は難解なので、神戸大学の解説図が分かりやすい。

 私の理解では、血糖値が上昇すると、WWP1の量が少なくなり、その結果、KLF15のユビキチン(=76個のアミノ酸からなるたんぱく質の一種)量が減り、KLF15の分解が抑制され細胞内でその量が増える為、筋肉が減少するという仕組みらしい。この解明で将来筋肉の減少を阻止する薬が開発されそうである。

 とにかく酔っ払いのような動きでポスティングをやっているから、ちょっとした段差で倒れそうになる。骨折すれば廃用症候群となる。栄養と運動が欠かせないが、まず高血糖を押さえる薬の限界が見えて来た。インスリンを使うのはもう間もなくだろう。非常に残念である。