ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

初めての単独大熊町視察

「そこで、彼女はふたりの嫁といっしょに、今まで住んでいた所を出て、ユダの地へ戻るため帰途についた」(ルツ1:7)

 2019年3月26日、町民ではない者として、初めて大熊町帰還困難区域の特区に足を踏み入れた。

 実は25日に行く予定だったが、そのオープンが夕方の6時となっていて、とてもその時刻には行けないと思ったのである。普通午前10時とかがあり得る時間帯だが、18時というのは、ほとんど大熊町民だけが対象だったからだろう。

 故に次の日の午前7時40分頃自宅を出て、ガソリン補給し、一気に大熊まで行った。国道6号でも車で2時間はかからない。

 大熊町では常磐自動車道大熊インターが3月31日(やはり午後3時と遅い)開通で、その少し前から町民の要望により、東の国道6号と、初めて指定解除になる西の大川原地区を繋ぐ町道および県道35号まで、町民でなくても自由走行出来るようになったのである。

 大熊町の市内までは、一般道では6号三角屋交差点で許可を求めて入る。それで常磐道大熊インターと6号を結ぶ最短交差点である、スポーツセンター入り口のゲートを撤去し、利便性を高める事にした。

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 私はそこまで行ったが、前日まで作業が慌ただしく続いていたのだろう。最初見逃していた。ちょっとバックし、まだ整っていないその町道を進み、常磐線大野駅の陸橋をまず目指した。車内に線量計を置いていたので、この帰還困難区域、どれほど線量があるのか調べてみた。そこに至るまでは、現在除染作業中の6号富岡町夜ノ森で毎時0.62μシーベルト大熊町に入ってから0.81、そしてこの自由通行ルートに入った途端2.25と跳ね上がった(*誤作動もあり得る)。積算年間1ミリシーベルトを基準とすると、若い人はうかうかしてはいられない。上記写真が一番線量の高かったところ。状況からしても除染は無理。

 閉鎖中の大野病院まで駅西近くから直ぐ、このあたりで0.76だった。私が所属する教会の閉鎖中の建物は、その大野病院から南、割に近いが、全てバリケードがあり、部外者は進入出来ない。そこで車から降り、教会方向に向かっていつか指定解除になり、そこでも礼拝出来るよう短く祈った。下写真大野病院過ぎたところから撮影。

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 すこから少し行くと、工事中の大熊インターの前に出る。開通を控え、大型ダンプなど頻繁に行き来していた。私の印象では、まさに突貫工事である。私の車は邪魔だ。写真を撮る暇が少ない。線量は0.76。*このブログの後開通。下写真。

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 さらにそこを通り越して少し行くと、秋葉台という地区に至る。これまでそこには有人の北ゲートがあって、西の都路街道や北方面は駄目、南の富岡・いわきに向かう県道35号にも入れなかった。それが撤去され、私は35号から富岡へ向かい、再び6号に入れるようになったのだ。

 この35号を南下していると、急に広々とした光景が広がった。最初分からなかったが、ここが解除になる大川原地区の北端に近いところだろう。

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 前方のどこかに大熊町の新庁舎が出来る予定のようだ。人の往来もあった。広く舗装された道路の脇には、花壇も置かれる。もう少しゆっくり見ておくべきだった。線量計は0.52を示していた。除染は終わっているのだろうが、若い家族が住むにはちょっとどうかと思う。

 この大川原地区を過ぎると、左折して北東方向で、再び大熊駅方面に入れる道があるが、町民でないと先は通れない。

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 上の写真左の青い標識は、勿論古いものだ。全て閉鎖されている。

 そこからすぐ富岡町になる。途中左折すれば富岡インターに出られる。左折して36号に入った。まっすぐ進むと、夜ノ森駅前になる。しかしそこは今も除染中で、迂回しなければならない。

 6号に向かう前に、一部通れる夜ノ森の桜並木のところを初めて写真撮影。桜はまだなので、閑散としていた。線量は0.14だったので、観光客目当てに必死になって除染したのだろう。しかし駅舎などはまだ帰還困難で、桜満開の時はバスを運行させるという。*実際バスが4月から運行されている。

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 ここまで9時15分から始まり、10時で撮影終わり。45分くらいだった。町道など解放といっても、ほんの僅かなところだけが自由通行道だ。数分で通り抜けられる。どこもここも柵だらけのゴースト地帯。

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 ほんの少しの差で、私の教会の大野チャペルは再開出来ない。この帰還困難区域の指定解除の見通しは、全然立っていない。大々的な復興の掛け声の陰に、この町や双葉町の現実がある事を知って欲しい。