ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

双葉郡から避難した人々の常磐道無料措置

「ただ、あなたがたのこの権利が、弱い人たちのつまずきとならないように、気をつけなさい」(コリント第一8:9)

 東日本大震災で被災した双葉郡の人々(浪江、双葉、大熊、富岡町等々と、南相馬市の指定された区域)には、移動の支援などを理由に、常磐道などを無料にする措置が続いている。

 昨年7月から「ふるさと帰還通行カード」発行により、来年3月31日までその措置が継続される。

 私は月1回南相馬市小高区にあるチャペルに、日曜日の午後、教会の皆さんと礼拝に行っている。

 午後だから10名程度、2台の車に分乗して行く。その際、両方の車にこのカードを持っている人が乗っていないと、有料になってしまう。

 座席から見ていて、このカード提示ですぐインターを出られるシステムは、良く出来ているなと思う。

 避難者の一時帰宅等の生活再建に向けた移動の支援というのとは少し違うが、放射能津波でやられたチャペルの再建支援という点では、この往復の高速道無料は大いに役立ったと思う。今年度のビジョンでも、大熊町富岡町の帰還困難区域にある会堂の掃除が掲げられているが、その為の通いでも便利になるだろう。放射能は依然として高いが、私たちの世代なら、白い放射能防護服を着て作業出来る。

 私はこの常磐道無料化措置を利用出来ないが、特に何とも思わない。教会外の人々の中にはそれをやっかむ人もいるが。

 それで私はいつも国道6号を利用して被災地を視察している。その利点は何かと言うと、様子が変わるのをじかに見られるからだ。常磐道はだいたい高架になっていて、しかも高速だから、細かい点は見落とす。避難解除になった大熊町大川原地区など、ざっと見られそうだが、あとは除染後の黒いフレコンバッグが一杯並んでいるのが目に入る程度、山林また山林と続く味気ない旅となる。しかも常磐道に設置されているモニタリングポストでは、富岡から浪江まで高い線量である事が分かるから、車に乗っていても被ばくしているなと感じる。

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 6号は大熊・双葉で線量が高いが、あっという間に通り過ぎる。

 広野、楢葉、富岡、浪江など、国の構想で出来たハコモノの為、故郷が変貌してゆくのも、いちいち降車して確かめられる。そして国による復興政策が、およそ庶民の生業復興とはかけ離れている事も分かる。

 しかしどこを歩いていても、福島県人はだいたい「こんにちわ!」という優しい言葉をかけてくれる。にべもなく通り過ぎる人は非常に少ない。都会ではそうだったので、彼らの思いやりが身に染みる。

 日本各地に避難した人々の中で、避難解除により帰る人は少ない。でも帰還を決意した人はいるから、その準備の為にも、常磐道の無料化措置は続けて欲しいと思う。まして援助もないまま自主避難の人の場合は、なおさらそうだと思う。