朝日賞を受けたアルディピテクス・ラミダスの論文共著者諏訪元教授と情報公開
昨年度の朝日賞には、東京大学自然人類学者の諏訪元教授が選ばれました。その受賞対象の論文は、復元されたアルディピテクス・ラミダスについてのもので、米国の科学誌サイエンスに、米国の共同研究者と共に掲載されたものです。
これは朝日新聞としては異例の事です。つまり論文が英語で、我々素人が簡単にサイエンス誌にアクセス出来ず、その研究内容が一部の人にしか分からないという点です。
その事は情報が一般の人々に共有されないままであるという点で、非常に問題があると思います。その責任は朝日新聞と東京大学の両者にあると考えます。
第一に朝日新聞は朝日賞を授与したからには、諏訪教授から内容の概要だけでも(と言っても長い論文ですが)受け取って、新聞に公開する義務があると考えます。
第二に東京大学は研究に関して国からの税金で賄われている部分が多いと思います(推測)。それならその研究内容をやはり日本語で公開して、一般の人々に還元する義務があると思います。
教育格差がますます広がってゆく中、こうした形でしか発表出来ないのであれば、東京大学は象牙の塔に閉じこもったままになり、格差拡大を助長してゆく事になると言っても言い過ぎではないでしょう。
今米国でも日本でも、貧しい人々がまともな教育を受ける機会が失われています。今回の朝日賞を巡り、猛省を促したいと思います。
「というのは、私が福音を宣べ伝えても、それは私の誇りにはなりません。そのことは、私がどうしても、しなければならないことだからです。もし福音を宣べ伝えなかったなら、私はわざわいだ」(コリント第一9:16)。