ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

南相馬市小高区駅東側の変貌

 南相馬市小高区には、駅の西側に所属教会のチャペルがある為、時々行く。

 小高区の中心街は北側を東西に、そして角度を変えて南西に流れる小高川に囲まれた地にあり、こじんまりと纏まっている。歩くのが好きな僕は、この地域を踏破出来ると思う。

 東日本大震災では、区全体として一時避難し、2016年には解除になったので、ネットでも『ゼロからのまちおこし』といった言葉が躍っている。

 まだそんなに多くの住民が帰ったわけではないが、双葉郡などで見られた地域の分断という不幸な事態は見られず、繋がりを求めて拡大して行こうという意欲が見られる。

 

suumo.jp

 上記サイトを見ても、顔見知りか、だいたいどこにお住まいか分かるし、とにかく前向きの姿勢だ。

 では小高駅の東側はどうか。小高川が向きを北に変えて海に流れ込む一帯は低地で、東日本大震災以前は広大な田んぼの光景が広がっていたと思われる。しかし津波がこの低地帯を一掃してしまった。初めて6号大井交差点から東に折れて松崎の高台から村上海岸などを見下ろした時、荒れ地と化したこの地区を茫然と眺めていた事を思い出す。

 実は最近の新聞記事で知ったが、浸水した小高駅のすぐ東側にメガとまでは行かないが、突如かなりのソーラー発電設備が出来て、景観を損なうと、駅西の方々の顰蹙を買っている。でも田畑の管理が出来なくなった方々の事を思うと、やむを得ないのかなとも思う。広い空き地は以下に述べる産業団地の一部でもある。

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 国道6号から東側、260号と交わる所(写真では左右が6号、先に見えるのが小高駅に向かう為の陸橋)に、南相馬市が新たに大規模な産業団地を造成するという記事が昨年末にあった。「ロボット関連企業や研究施設などを誘致」するとネットの情報にあったので、早速行って見た。

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 四つ角のいわき寄りの畑地である。ロボット関連という言葉を見ると、すぐ経済産業省イノベーション・コースト構想を思い出す。幾つかの産業団地が構想の中に含まれている。しかしこの小高の産業団地は初耳だった。

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 田んぼをやっている方もおられるとは思うが、大半は休耕田か荒れ地である。奥の方まで相当距離がある。

 もしここに巨大な団地が出来たら、大震災の時津波に覆われたという事実は分からなくなってしまうだろう。教会の僕の先輩の姉妹はここで津波に吞み込まれて亡くなった。地元の人々が多数亡くなった。

 とにかくここまで浸水して来たのだ。そこに企業を誘致するといっても、かつて台風による豪雨で阿武隈川が氾濫し、大きな被害を受けた郡山工業団地のような、甚大な浸水被害は、ここでは起きないというのだろうか。強固な堤防を造成したので、もう津波による被害は生じないというのだろうか。

 国、福島県南相馬市とここの住民による将来像の「自由闊達な」議論など聞いた事がない。また執筆の時点でサイトにあったこの産業団地構想の幾つかは、既に消去されている。中止したのかどうか分からない。

 とにかくイノベーションコーストという国主体の事業では、福島県人の意見は問答無用という事で採択されないのか。市民は国によって蹂躙されているようにしか見えない。浜通りの視察で感じるのはいつもこの事だ。