ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

中国の獄中でノーベル賞を受賞した作家と聖書

 10月9日の新聞は、ノーベル平和賞が中国の人権活動家兼作家である劉暁波氏に与えられた事を報じていました。
 それが特異であるのは、劉氏がその活動の為懲役11年の実刑判決を受け、今なお獄中にあるからです。当然中国当局は反発して、ノーベル賞委員会のあるノルウエーへの対抗措置を示唆したとの事です。
 現在の中国が共産党一党独裁である事はよく知られています。それに対して劉氏は他の民主化要求運動の活動家らと共に、2008年ネットに08憲章を発表して一党独裁を批判した為、逮捕拘束され、今は遼寧省の獄中に閉ざされています。そこで氏がノーベル平和賞の事を知ったかどうか分かりません。
 中国当局は劉氏の妻に面会を許可したそうですが、報道を見る限りノーベル賞の事が面会で話し合われたのか、いや面会そのものが実現したかどうかも分かりません。ただ彼女は平和運動の活動家との接触を警戒され、事実上の軟禁状態にあるのは間違いないでしょう。ビルマノーベル平和賞受賞者アウン・サン・スー・チー氏のようです。
 一方中国憲法では「公民は宗教信仰の自由を持つ」と規定されているようですが、マルクス主義にとっては宗教は「阿片」なので、事実上弾圧され専ら「家の教会」として地下に潜っているのが実情のようです。アフリカで開催されるキリスト教徒の会合に出席する予定だった数名の信徒たちが、パスポートを取り上げられ逮捕された事が朝日で報じられています。
 劉氏は言論・宗教の自由を訴えていますが、彼自身信徒であるかどうか分かりません。しかし真の信徒であるなら、こうした身柄拘束という不自由さはあっても、その心まで弾圧・洗脳させられる事は不可能です。
 その点を証ししたのが、聖書のパウロです。彼はれっきとしたユダヤ教徒パリサイ派に属し、クリスチャンたちを迫害していましたが、復活のイエス・キリストとの劇的な出会いで回心してクリスチャンとなった為、今度はユダヤ教徒から執拗に付け狙われる羽目になりました。
 第三次伝道旅行からエルサレムに戻ったパウロは、彼らの為にいのちが危うくなり、そこにいたローマの千人隊長によりカイザリヤまで護送されました。
 そこでの取り調べでパウロは、ローマに行きカイザルに上訴する事にしました。彼は出発の前しばらく鎖で繋がれていましたが、そこへ訪ねて来たアグリッパ王や総督フェストらの前で、こう証ししました。
 「パウロはこう答えた。『…私が神に願うことは、あなたばかりでなく、きょう私の話を聞いている人がみな、この鎖は別として、私のようになってくださることです。』」(使徒26:29)。
 「この鎖」とは獄中で拘束する為のものです。パウロは獄中にいるという点で広く伝道が出来ない事の「不自由さ」は感じていたでしょうが、「私のようになって」、つまりクリスチャンになってから得た心の真の自由さの為、大胆に神を無視する人々に福音を宣べ伝え、証しする事が出来ました。彼の望みは、そういう人々が自分のようなクリスチャンになって欲しいという強い願望でした。居合わせた人々はその心を強く揺さぶられました。
 彼の信仰は救い主イエス・キリストのみことばにあります。「もし子(*キリスト)があなたがたを自由にするなら、あなたがたはほんとうに自由なのです」(ヨハネ8:36)。「兄弟たち。あなたがたは、自由を与えられるために召されたのです」(ガラテヤ5:13)。
 獄中にあっても、敵の救いの為に祈れるクリスチャンは強い人です。