福島の汚染土壌からセシウムを除去する新技術の開発記事を読んで
2011年9月1日ロイターのサイト(英文)に、「土壌から放射能を除去する事を目的とした日本の新しい方法」といった題の記事がありました。
その記事はあまり長くないので、試しにグーグルで検索したところ、既に多くのメディアが報じていました。新聞を毎日隅から隅まで読んでいるのに、うかつにも逃していました。そこでネットを調べたところ、その新しい方法を開発したのは、産総研、即ちつまり独立行政法人産業技術総合研究所である事が分かりました(http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110831/pr20110831.html)。
今急を要するのは半減期がおよそ30年と言われる放射性同位体セシウム137(産総研では半減期がおよそ2年のセシウム134も対象)を、いかに汚染された土壌から除去するかという問題です。
既に反原発の研究者たちの本でも警告されているように(例えば小出裕章京大助教の『原発は要らない』『原発のウソ』など)、最強の毒物であるプルトニウムの場合放出するのはアルファ線で、外部被曝よりも内部被曝のほうが致命的ですが、セシウム137の場合、ベータ線とガンマ線の両方を出すので外部被曝と内部被曝の両方で危険性が高いそうです(*『元素111の新知識』によりますと、厳密にはセシウム137が崩壊する過程で生じるバリウム137がガンマ線を出すそうです)。
産総研、どのような技術を開発したのでしょうか。簡単に要約しますと、汚染土壌を低濃度の酸水溶液で洗浄してセシウムイオンをその中に脱離させ、抽出したものをセシウム吸着材であるプルシアンブルーナノ粒子で回収するという方法です(低濃度の酸水溶液を土壌洗浄に再利用し、その連続処理も可能にしました)。
プルシアンブルーというのは、用語解説にもありますが、紺青とも呼ばれる青色顔料の事で、面心立方格子を形成し、鉄(Fe)イオンと、シアン(CN)イオンが配置されています。その空隙にセシウムイオンが取り込まれると考えられています。
産総研の画像を少し加工して掲載させて頂きました。
そして今回の新方法では最新のナノテクノロジーを駆使して、プルシアンブルーを微粒子化したものを吸着剤として使用した点も挙げられています。
この技術により、少しでも多くの土壌からセシウム抽出が効果的に進められる事を期待します。
この汚染除去剤を「灰汁」、セシウムを「人間の心のうちにある罪の害悪」と言い換えると、聖書には次の聖句があります。
「たとい、あなたがソーダで身を洗い、たくさんの灰汁を使っても、あなたの咎は、わたしの前では汚れている。――神である主の御告げ…」(エレミヤ2:22)。
「わたしはまた、わが手をあなたに向け、あなたのかすを灰汁で溶かすように溶かし去り、あなたの混ざり物をすべて取り除く」(イザヤ1:25口語訳)。
人間の罪咎は、自らの手で全て除去する事は不可能ですが、神であればそれがお出来になる、という事をこれらの聖句は教えています。
翻って、産総研という人間技術者集団による汚染土壌の除去には限界があり、それは残りますが、神は終わりの時に汚染土壌を含む全地を一新されます。