ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

日本最古の戸籍史料出土

 2012年6月13日の朝日新聞に、福岡県太宰府市の国分松本遺跡で、国内最古の戸籍関連史料となる木簡が発見されました。7世紀末(飛鳥時代)の戸籍情報が記されています。画像は朝日から借用。

 良く知られている飛鳥浄御原令(689年)は、持統天皇の時に施行された律令のうちの「令」で、日本最初の体系的な法典です。その令22巻の中に戸例というのがあって、全国的な戸籍となる「庚寅年籍−こういんねんじゃく」の元となる規定が盛り込まれ、翌690年に作成されたと言われています。
 ウイキペディアによりますと、「六年に一度作成するという『六年一造』の造籍の出発点になっただけでなく、五十戸一里を基準に行政的に戸を編成して、その戸内の家族(戸口)の名・年齢・戸主との続柄などを詳述したことによって、個々の家族構成を直接的に把握することを可能にし」たとあります。本籍地を離れて他所にいる人を取り締まるのが狙いだったようです。但し原本は残存していません。
 この木簡はそれを反映しているとの事で、7世紀末と断定されたのは、701年の大宝律令によって廃止されるまでの間の呼称であった「評」の字が見える事(701年に「郡」と変更)や、既に戸主ら16人の名前が見える為、施行された後6年経過した696年に見直しが行なわれた時の戸の状況と考えられて、翌697年に作られたのではないかという想定によります。
 現存する最古の戸籍史料は702年のものとされている為、今度の木簡はそれよりおよそ5年前のものになります。
 良好な状態で見つかったのは、旧河川の跡のある場所で相当深い所に存在し、腐食を免れた為でしょう。右画像は太宰府市のホームページより借用。

 聖書にも戸籍に相当するものの記述があります。有名なのはルカ2にある、皇帝アウグストによる「住民登録」の勅令です(*文語訳で「戸籍登録」)。
 「そのころ、全世界の住民登録をせよという勅令が、皇帝アウグストから出た」(ルカ2:1)。
 それによってヨセフと聖霊により身ごもったいいなずけの妻マリヤは登録の為に、住んでいたガリラヤの町ナザレを離れ、ユダヤベツレヘムに向かいました。
 「ヨセフもガリラヤの町ナザレから、ユダヤベツレヘムというダビデの町へ上って行った」(ルカ2:4)。
 このベツレヘムの町の馬小屋?の飼葉おけのある所で、月満ちたマリヤは初子を産みました。それが救い主イエス・キリストです。
 ところでこのベツレヘムでのキリスト降誕は、既に旧約聖書のミカ5:2で預言されていました。この成就の為には、上記ローマ皇帝による住民登録の勅令が必要でした。そうでなければヨセフとマリヤは、ナザレに留まっていたはずです。この預言の成就は聖書が真実である事を証明しています。
 太宰府市の木簡は、朝日に「戸籍・計帳関係最古の物証になる」とあるように、考古学による庚寅年籍の存在を証明したという事でしょうか。