ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ヤシ油から抽出した廃棄物は、良好な糖に変える事が出来る

 2012年11月21日のサイエンスデイリサイトに、上記の題でシンガポール共和国科学技術研究庁傘下の化学工学研究所の研究成果を紹介していました。
 ヤシ油から抽出したものは、年間およそ1千3百万トンもの廃棄植物を生み出しています。この副産物の中にエンプティ・フルーツ・バンチ(EFB)として知られているものがあります。ネットで調べると「パーム油製造では、大量の残滓が発生する。その残滓の中の果実繊維や果実核殻は、パーム油加工時の熱源になったりしているが、加工残滓である空果房」をそう呼ぶのだそうです。別のサイトを見ますと、簡単に「パーム果房」とも言うそうです。

 現在はそれを焼却処分し、発生した熱と電気を用いてヤシ油の圧搾機を動かしているそうですが、今それが甘い物の用途になろうとしています。
 サトウキビの搾りかすをバガスというそうですが、それと飼料にするトウモロコシのまぐさを有用な糖であるキシロースに変える技術が確立していますが、研究チームはそれを応用し、パーム果房から高収量のキシロースを抽出しました。

 写真右がD−キシロース(D−木糖)。ネットから拝借。
 パーム果房はキシランを含んでいます。それはネットによれば、キシロースが直鎖状に連なった炭水化物(多糖類)です。それは弱酸があると容易にキシロースに分解します(加水分解)。研究チームはその酸として硫酸(H2SO4)と、リン酸(H3PO4)を組み合わせましたが、それが成功の元となりました。糖生産量改善の為の相乗効果を示したのです。
 硫黄とリンは微生物を用いてのキシロースの発酵に不可欠なので、この2つの酸の組み合わせは、キシロースをさらに他の有用な化学物質、例えば砂糖代替物としてのキシリトール、乳酸、エタノールに変えるのに、重要な役割を果たす事になります。
 研究チームは適切な弱酸の組み合わせを見極め、実験とコンピューターモデルを用いて、加水分解の為の最適の条件を発見したわけです。80〜90パーセントものキシロース産出量を得る事が出来ました。
 聖書にはこうあります。
 「おまえの銀は、かなかすになった。おまえの良い酒も、水で割ってある。おまえのつかさたちは反逆者、盗人の仲間。みな、わいろを愛し、報酬を追い求める。みなしごのために正しいさばきをせず、やもめの訴えも彼らは取り上げない。それゆえに、──万軍の【主】、イスラエルの全能者、主の御告げ──『ああ。わたしの仇に思いを晴らし、わたしの敵に復讐しよう。しかし、おまえの上に再びわが手を伸ばし、おまえのかなかすを灰汁のように溶かし、その浮きかすをみな除こう。こうして、おまえのさばきつかさたちを初めのように、おまえの議官たちを昔のようにしよう。そうして後、おまえは正義の町、忠信な都と呼ばれよう。シオンは公正によって贖われ、その町の悔い改める者は正義によって贖われる』」(イザヤ1:22−27)。
 ここでは不純物の多い「銀」がヤシ油に相当するでしょう。「かなかす」がパーム果房を指しています。その「かなかす」から「灰汁」を用いて「浮きかす」を抽出するのが、弱酸によるキシロース産生に相当するでしょう。