ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

オバマ大統領、マンデラが投獄されていた刑務所を訪問

 「群衆もふたりに反対して立ったので、長官たちは、ふたりの着物をはいでむちで打つように命じ、何度もむちで打たせてから、ふたりを牢に入れて、看守には厳重に番をするように命じた。この命令を受けた看守は、ふたりを奥の牢に入れ、足に足かせを掛けた。真夜中ごろ、パウロとシラスが神に祈りつつ賛美の歌を歌っていると、ほかの囚人たちも聞き入っていた」(使徒16:22−25)。
 2013年6月30日のニューヨークタイムズサイトでは、上記の題で記事が書かれていました。
左画像はNYTサイトから借用。
 この日オバマ大統領は南アフリカケープタウン沖にあるロベン島のボルスモア刑務所の独房を、妻・子ども二人と一緒に訪問しました。そこはネルソン・マンデラが、反アパルトヘイト運動(=反人種隔離運動)の為、逮捕投獄された27年間のうち、18年を過ごしたところでした。

マンデラは1990年に釈放された後、当時のデクラーク大統領と共に1993年ノーベル平和賞を受賞しました。そして1994年初の黒人大統領に就任し、差別撤廃、格差是正、経済対策などに取り組み、1999年年に政界を引退しました。
 2001年に前立腺がんが見つかり、ずっと闘病生活を続けて来ましたが、2013年6月8日に、肺の感染症の再発で入院し現在危篤状態ですが、症状は安定しているとの事です。その為オバマ大統領はマンデラと会う機会が無くなり、土曜日に彼の妻や家族、そして彼の回復を祈る人々との会見を選びました。
 非暴力の政治活動はこの南アフリカから始まり、マハトマ・ガンディーがここで弁護士としての活動をしていました。彼はインドに帰国するとその独立に寄与し、それが米国のマーチン・ルーサー・キングを大いに鼓舞し、同じように非暴力による黒人解放運動を広げたのでした。(この二人は不幸にも暗殺されました)。
 一方オバマ上院議員としてこのロベン島をかつて訪問した事があり、彼もマンデラの書物に励まされ、のちに米国で初の大統領となりました。この世界遺産となっているロベン島再訪で、オバマは「投獄を耐え忍び、権力を握っても恨みや逆襲をしなかったマンデラの手腕がなかったら、私が大統領に選ばれる事もなかったかもしれない」と語りました。
 そして「世界はロベン島の英雄に感謝している。足かせも独房も、人間の精神の力にはかなわない、という事を銘記させてくれる」と付け加えました。
 オバマ南アフリカ大統領のジェイコブ・ズマと夕食会を共にし、マンデラがロベン島の他の囚人たちに読み聞かせた19世紀の詩「インビクタス」(=不屈を表すラテン語)を朗読しました。上記聖書箇所のパウロとシラスが瀕死の重傷にも関わらず、神に祈りと賛美を捧げ、他の囚人たちを元気づけたのと同じです。
 94歳のマンデラ、是非平安のうちに召される事を願います。