ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

遺伝子外のDNAは未知の大きな可能性を秘めた重要な役割を果たしている:以前知られていなかった数千ものRNAが特定された

 「主は、やみの中に隠れた事も明るみに出し、心の中のはかりごとも明らかにされます」(コリント第一4:5)。
 2013年6月26日のサイエンスデイリサイトでは、上記のような題で論文が紹介されていました。
 ワトソンとクリックによるDNA(デオキシリボ核酸)の立体構造が究明されたのが1953年、mRNA(伝令リボ核酸)の働きが分かったのが1956年、さらに同年リボ核酸の中にtRNA(転移リボ核酸)も存在する事が分かり、1957年「遺伝子DNAのもつ情報は、一方向にRNAを経由してタンパク質合成を指令する」という分子生物学の「セントラルドグマ」が提唱されました。左図ネットより。

 このドグマはしばらく支配的な考え方でしたが、1970年に一本鎖RNAを鋳型として DNAを逆転写する酵素が見つかり、セントラルドグマが崩れました。
 以後RNAについて世界中の研究者たちが取り組み、武村正春氏の『生命のセントラルドグマ』を読むと、rRNA(リポソームリボ核酸)、snRNA(核内低分子リポ核酸)も発見され、2005年に画期的な発見がありました。
 それはDNAの中に転写されても、タンパク質には翻訳されない、しかし何らかの機能を担っているというRNA、つまりncRNA(ノンコーディングリボ核酸)というものの存在が発見された事です。それにより生物の全遺伝情報を記したDNAの総体である「ゲノム」に、ジャンク(=がらくた=単なる塩基配列の反復でしかない無駄なもの)というものがほとんどない事が分かりました。それはセントラルドグマ信奉の進化論者を含む科学者たちには大きな衝撃だったと思います。
 それ以来今日に至るまでRNAの研究がさらに盛んになっています。
 上記論文はカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームによるものですが、こうした遺伝子外のDNA(*人間の遺伝子はDNAの中で1.5パーセントを占めており、それ以外の98.5パーセントのDNA塩基配列)のうち、およそ85パーセントがRNAを作っている事を究明しました。そこで研究者たちはそうしたRNAのうちどれが重要な機能を持っているのかその見極めが大切だけれど、それには数十年もかかるだろうと言っています。

 研究者たちはそうしたDNAから転写されたRNAのうち、以前知られていなかった数千ものRNAの配列を特定しましたが、その或るタイプのものを今回lincRNAと名付けました。そのlincとはLarge intergenic non-coding RNAs の略語で、「遺伝子間の長い非コードRNA」という訳語になります。右画像上。
 そしてこれまでのところ、そうしたlincRNAのうち少数のものが人体で重要な役割を果たしています。
 このlincRNAは多様な機能があり得ます。それにはタンパク質を規定する遺伝子活動を制御するものや、従来と違ったやり方でタンパク質産生を導くものもあります。そこで准教授のマクマヌス氏は「RNAは分子のスイス軍隊ナイフだ」と言っています。つまりそれは戦闘以外の日用的な用途に使用するための多機能な折り畳みナイフを指しており、RNAには非常に多くの異なった機能があるという事です。
 こうした新知見は、それがますます創造主の全知・全能の力によらなければ不可能だという事を確信させます。