ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

福島県内の全原発の廃炉を求める会に出席して

 「愚かな者は英知を喜ばない。ただ自分の意見だけを表す」(箴言18:2)。
 2016年2月10日福島県いわき市のいわき芸術文化交流館アオリスに行って来ました。上記題にある会主催の講演を聞く為です。ここの大ホールは1,2階全体で1122席ありますが、午後1時半開会より1時間前から長蛇の列で、全て埋め尽くされました。福島民報の小さな記事だったので、その関心の高さにびっくりしました。

 尤もこの日の講演のメインは、馬場有浪江町長、櫻井勝延南相馬市長、元内閣総理大臣小泉純一郎、僧侶玄有宗久氏という良く知られた人々だったので当然だったかも知れません。閉会挨拶の元福島県知事佐藤栄佐久氏もそうです。
 開会挨拶後すぐ馬場町長が立ちました(本日デジカメ忘れ、画像は全てネットから借用)。

 ●馬場氏は淡々とこれまでの経緯を述べました。この事故は想定外ではなく、2007年には15メートルの津波が来る事を予測していたのに、工事を怠った。事故の原因をまず究明すべきである。しかしそうしない、この体たらくは一体何なんだ、この5年間の避難は非常に苦しいものだった。しかし負けていられないと歯を食いしばってやって来たと述べました。

 ●櫻井氏はこの日最もボルテージが高く、ひときわ印象に残りました。南相馬市は全国で一番避難者数が多い。27,000人が避難を余儀なくされ、9,300人が既に転出してしまった。11,000人が市外で、うち8,000人が仮設や借り上げ住宅に住んでいる。加えて南相馬市は20キロ圏、30キロ圏、それ以外の3地域に分割されてしまった。しかも国は首長たる私に何の連絡もしなかった。それで3号機の爆発を聞いて、3月15日には独断で住民を避難させる事にした。15日中に各地に避難させた。特に新潟の泉田知事が全員を受け入れると表明した。当時国は10キロ圏以外は避難計画を作ってはならないという立場だった。しかし私は住民のいのちを守らなければならないと思っていた。それなのに昨年8月11日政府は原発の再稼動を決めた。私は怒りを込めて許せないと述べた。福島では廃炉決議なのに、国の方針ははきりせず、東電はコメント出来ないと言っている。これは第二原発の再稼動を目論んでいるに違いない。第一原発に近いため、相当数の人々が避難しているのに、第二原発を動かそうというのは、市民に対する冒涜である。原発で潤って来た東京都民がなぜ福島県人を支援しないのか、皆さんこそ頑張るべきだと訴えた。福島の現況がわからない都民に対して、責任はそれぞれが負うべきだ。福島をしっかり支援すべきだ。東電は私が避難を終えてから10日も経ってやっと挨拶に来た。ふざけんじゃない、この体質こそ問題だ。再稼動する資格など無い。新しいエネルギー政策、人間が危険を伴わない政策に転換すべきだ、皆で力を合わせよう。いわきの人々も脱原発宣言をして欲しいと述べました。

 ●そしてメインの小泉氏。マイクから遠く、よく聞こえないという声があがりましたが、私のボイスレコーダーでも聞き取れない箇所がありました。以下メモから。まずは福島の原発のみならず全国の原発を即廃止すべきであるという持論から始まり、総理の時代原発推進を信じていたが、5年前の事故の悲惨な情況から、自分で勉強を始めた。安全安全と言うが全てが嘘だと分かった。それを信じていた自分が悔しくてならなかった。過ちを改めるにはばかる事なかれである。加藤寛先生が亡くなる前、日本は原発ゼロでやってゆけると言い、弟子にあたる吉原毅氏(当時城南信用金庫理事長)はそれを受けてシンクタンク(城南総合研究所)を設立し、今も活動している。1979年の米国スリーマイル、1986年のチェルノブイリ事故を目撃しているのに、日本はレベル高くて大丈夫、多重防御で放射能外に出ないなどと原発推進者は言っていたが、事故は起きた。また起きると日本は狭くて逃げる所がない。事故で多くの避難者が出る。5千万人の避難が必要だが、責任者は賠償できず古里は無くなってしまう。今年4月から電力自由化になると、電力会社は政府に頼らざるを得ない、コストはどんどん上がる(金食い虫)から。核のゴミは処分場はフィンランドオンカロを除くと無い。それで原発廃止を決めたドイツを視察し、オンカロに行った。しかしそこで地下400メートルに処分場作っても、1万年で地下水などが汚染される。一方日本は原発ゼロで2年間もった。もんじゅ、伊方…危険なのにどうしてこんな事が分からないのか。川内原発は海から大量の水吸い上げでプランクトンは居なくなる、それをまた流せば汚染になる。全世界の英知を集め、政権が判断すべき時である。既に清水建設は昼間太陽光の高層ビルを作っている。振り返ると既に昭和16年が敗戦の時だった。ピンチをチャンスに出来なかった。戦後も石油危機など幾らでもあったが、その都度ピンチをチャンスにして来た。30パーセントの原発エネルギーを全て自然エネルギーに変えよう、原発ゼロにしよう。

 ●次もよく知られている玄有氏。小泉氏が日本を相当壊したと笑わせた後、小泉氏としてはこのままでは死んでも死に切れないだろうなという点と、安倍総理を推したのが小泉氏である以上、安倍氏に今の話を言って欲しいと述べました。
 次いで原発では廃棄物の処理がうまく行けばゼロになるが、事故続きでプルトニウムがどんどん増えている。核兵器6千発分作れる、30年前の協定で日本だけがその所有を許されているが、もし日本が核兵器作ったら大変という事で、中・韓が危惧、それなのに高浜原発3号機再稼動(MOX燃料使用)させた。福島の中間貯蔵施設の場では、地権者が半分亡くなっている(登記し直していないから、子孫のはんこが必要。それは不可能)。だから出来るわけがない。
 日本は東京五輪で必死。大量のエネルギーが必要。これまで福島第一、第二で賄って来たのが、第一駄目で、第二を動かそうという狙いがある。また今六ヶ所村の再処理工場も動かそうとしている、福島の平均所得が250万であるのに対して、1,230万の収入がある。とにかく第二原発稼働は絶対阻止しないといけない。*玄有氏の話はうまかったです。
 あとの方々の話は割愛。長くなってスミマセン。