ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

フィンランド危機脱出の方法と聖書の方法

 堀内都喜子さんの『フィンランド 豊かさのメソッド』という本を読みました。
 この本の出たのが2008年7月ですから、フィンランドの危機はそれ以前に起きた事です。
 その時の国の状態は不況、リストラ、高い失業率、借金の増加と自殺者の増加等々、多くの国民が国の危機を感じていたそうです。
 でも国民はこうした事態に対して、「一致団結し」「不屈の精神=フィンランド語のシス」で何とか乗り越えようと努力し、わずか数年で大不況は止ったそうです。
 翻って日本の現在の経済社会情勢ですが、上記フィンランドの数年前の状況と良く似ています。違うのは格差社会の中にあって危機を感じても、全く無力な貧困層が厚みを増しており、政治家らが「笛を吹いてやっても」「踊らな」いでいる(マタイ11:17)状態でしょうか。
 それと一昔の日本には上記「シス」と似た言葉として「大和魂」という言葉がありました。堀内さんはその事に言及しています。けれどもこの「大和魂」は現在死語と化しているでしょう。無理に復活させようとすると、変な方向に向かう危険もある言葉です。東條英樹などは近代戦の世界で、武器よりもこの「精神」で勝つべき事を国民に吹聴し、多くの人々を死地に追いやったそうです。
 ですから今の日本人は「シス」の精神で一致団結など出来ません。散々辛酸を舐めたフィンランドが、良く耐えて逆境を乗り越えたのは、うらやましい限りです。
 では聖書のイスラエル人はどうだったでしょうか。このちっぽけな国民が内外に問題を抱えながらも、曲りなりに存続しているのは、彼らの団結力を示しています。
 現在も彼らは旧約聖書しか使いませんから、その中からフィンランドの「シス」に相当する言葉を選び出すとしたら、どんな言葉があるのかなと思いました。思いつく箇所が二つほどあります。
 一つはヨシュア記1章にあります。主である神が、若い指導者ヨシュアを奮い立たせ、民を団結させ約束地に向かわせた時の神のみことばです。
 「強くあれ。雄々しくあれ。」(ヨシュア1:6ほか)。これをヘブル語で言うなら、「ハザック・ヴェ・エマーツ」です。
 もう一つはイザヤ8:10にある「インマヌー・エル」(日本語ですと冗長になりますが、「神が、私たちとともにおられる」です)。インマヌー(=私たちと共におられる)を挟んで、神の御名としては「アドナーイ」とか「エローヒーム」などが入る箇所もあります。
 この神が賦与されたみことばにより、民は危機や艱難を乗り越えて来たのでしょう。おそらくそうしたみことばが現代に至るまで、聖書朗読や筆記を通してイスラエル人の心に定着していたと、私は勝手に想像しています。
 今日日本に居るクリスチャンたちも「インマヌー・エル」と叫んで、幾多の危機を克服しています。数は少なくても、決して「負け犬の遠吠え」とはなりません。