ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

日本一の塔途中段階とバベルの塔

 以前教会の随筆にも書いた事がありますが、遂に本日午前、東京墨田区で建設中であった観光電波塔の東京スカイツリーに、10メートルほどの鉄骨が上乗せされ、日本で一番高い塔になりました。
 その写真が朝日新聞に載っていました。確かにすごく高いなと思いましたが、ちょっと見出しだけ眺めると、東京タワーを抜いてその塔が完成したような印象を与えます。しかしそうではありません。これはあくまで建設の途中なのです。ですから完成した暁には、今の約2倍世界一となるそうです。
 墨田区と言えば東京の下町ですが、ヘリコプターからの写真では、見渡す限りビルやマンションが林立し、山の手の風景と変わりありません。しかし地盤はあくまで軟弱、砂やシルトの層が積み重なっています。
 ですからあえてそうした土地に高い建物を建てるには、よほど基礎がしっかりしていなければならないはずです。その施行技術については良く分かりませんが、耐震も含めて絶対大丈夫という結論で建て始めたのでしょう。
 でもかつて経験もした事のないような長周期の地震が起きたら、一体どうなるのかと思わずにはいられません。本当にヒューマン・エラーは生じない事になっているのでしょうか。
 「観光」電波塔となっていますから、そういう目的で人々を集めようとするのでしょうが、世界一にしようとする野望みたいなものを感じてしまいます。人間の持つ「驕慢」が表われたようです。
 それを考えた時、聖書からすぐ浮かんでくるのが、創世記11章に出て来る「バベルの塔」です。
 ノアの洪水後、全地はまだ一つの話し言葉でした。人々は増えて広がり、バビロンなどの都市があるシヌアルの地に移って来ました。そしてそこで人々は日干しれんがを用いて町や塔を建て始めたのです。「さあ、われわれは町を建て、頂が天に届く塔を建て、名をあげよう」(創世11:4)。
 ところがその一大事業は、天におられる主なる神への挑戦だったので、主は様子を見るため、わざわざ天から降りて来られました。そして人々のやっている事をつぶさに観察されたのです。
 既にノアの洪水で全世界の人々の悪が罰せられ、ことごとく死に絶えていました。ノアを含むたった8人だけが箱舟に乗って助かりました。でもその8人もアダムの犯した「罪」を遺伝子のように持っており、「ボトルネック効果」によっても完全に人々のうちに受け継がれて行きました。その子孫たちの遺伝子プールにはちゃんと「罪」を発現させるものが存在していたのです。ですから一つの話し言葉であった人々は、発現した「罪」によって団結し、かの高い塔を建てようとしていたのです。
 そしてそれは東京スカイツリーのように、相当なところまで出来ていたのでしょう。それを主なる神は絶対に見過ごす事がお出来になりませんでした。そこで「さあ、降りて行って、そこでの彼らのことばを混乱させ、彼らが互いにことばが通じないようにしよう」(創世11:7)と、みこころを実行に移されました。ここで「混乱させ」という動詞はヘブル語で「ナヴェラー」となっていますが、これは動詞「バーラル」の1人称です。その後の9節では「それゆえ、その町の名はバベルと呼ばれた。主が全地のことばをそこで混乱させたから、すなわち、主が人々をそこから地の全面に散らしたからである」とあります。ヘブル語をカタカナに直しますと、「アル・ケン・カラー・シェマ・バヴェル・キー・シャーム・バラル・アドナイ・セファット・コール・ハーアーレツ…」となり、バヴェル(=普通バベルと表記します)が出て来て、後の方でその町の名の由来が記されています。つまり言葉を混乱させた(=バラル)からです。
 実はこのバラルという動詞から、直接町の名であるバヴェルへと「言葉の遊戯」にはなっていませんが、彼らのヘブル語では同じような音になっていたのでしょう。そのバヴェルの町に途中まで出来た「塔」が、有名な「バベルの塔」という事になります。
 建設途上で日本一となった塔から、バベルの塔の事を考えてみました。