ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

人間による愚かな方法と神による愚かな方法

 第二次千回大戦末期の日本は「風船爆弾」というものを作りましたが、標的であるアメリカにはほとんど届かなかったと思っていました。
 ところが佐藤優著『国家と神とマルクス』を読んで、認識を変えました。
 この本の中で佐藤氏は『風船爆弾」の事を詳しく述べています。それは旧陸軍が開発した「傑作中の傑作」だというのです。
 日本のような緯度の地域では上空を「偏西風」というものが吹いており、これは毎年中国からやって来る黄砂でおなじみです。この偏西風を利用し、重さ25キロの爆弾を搭載した気球を日本からアメリカまで送るというのが、「風船爆弾」兵器でした。
 そして佐藤氏によれば日本はこの爆弾をおよそ9300発米国に送ったそうで、そのうち2つしか米国に到着していないというのは、実は米国側の隠蔽によるもので「大嘘」だったと言っています。これが私の得ていた情報でした。そしてそれを事実だと認識していたわけです。
 ところがです。外交に強い佐藤氏の調べでは、なんとこのうちの1000発くらいが米国に到着し、米国をパニックに陥れたそうです。それはなぜか。この爆弾に生物化学兵器がつけられていたら、「大変な危害がアメリカに及ぶ」という懸念があったからです。
 実際戦前の日本の陸軍は、本土や中国において極秘のうちにそうした兵器を開発しつつありました。
 使われたのは通常の爆弾だったそうですが、1000発も命中したという事で、佐藤氏はこの風船爆弾を「第二次世界大戦諜報戦史に残る優れた兵器だった」と評価しています。
 一見愚かそうに見えても優れた兵器という事で思い出す聖書箇所があります。サムエル第二17章です。
 そこではイスラエルの敵ペリシテ人の巨人ゴリヤテという者が陣営の最前線に突っ立っています。彼は青銅のかぶととよろい、また足にも青銅のすね当てを着けて、武器として青銅の投槍を所持していました。まさに重武装です。戦前の強大な米国を象徴しているようです。
 ところがまだ少年だったイスラエルダビデは、そうした装備が慣れておらず、かえって重荷でした。そこで彼はそれを捨てて、「自分の杖を手に取り、川から五つのなめらかな石を選んできて、それを羊飼いの使う袋、投石袋に入れ、石投げを手にして、あのペリシテ人に近づいた」(サムエル第二17:40)とあります。
 かたや青銅の全身を保護する武具による重武装の兵士、かたや何もからだの武具を身に着けず、武器はただの石投げと石だけという構図です。後者は一見全く愚かな武具と言えます。
 しかしダビデはそれをもって、僅かな隙のあったゴリヤテの額に石を命中させました。それでゴリヤテは倒れ、近寄ったダビデが彼の剣をとって殺したのです。
 他の聖書箇所に「神の愚かさは人よりも賢く」(コリント第一1:25)とあります。これは数学で言えば「デデキントの切断」を表わしています。人間の知恵には最大でも限りがありますが、神の知恵は最小であっても、人間の知恵より大きいのです。いかに愚かに見えても、神の方法は人の最大の知恵に勝ります。
 ダビデはこの神に頼り勝利を収めました。しかしそれは戦前の東条首相の言っていた「精神力でアメリカに勝つ」というのとは違います。東条のは人間の「精神力」であり、全能の主のものではありませんでした。ですから愚かにも日本を敗戦に導いたのです!