ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

熱力学第二法則の卑近な聖書例

 レイモンド・チャンの『物理化学』では、大著のはじめの方で熱力学第一法則と第二法則の事が書かれています。
 記述は比較的易しいと思いますが、物理化学者でもない私が深入りする事は避けます。
 その第一法則は「全宇宙のエネルギーの総量は一定である」という事です。これは素人にも比較的分かりやすい表現です。
 しかしその第二法則となりますと、いろいろな人がいろいろな事を言っていて、今一つ分かりにくい感じです。そこに「エントロピー変化」というものが導入されており、まずこのエントロピーとは何かという事を十分に理解しなければならないからです。さらに「熱機関」とかも。チャンもこの第二法則を最初にやさしく定義してはいません。
 そこでまず岩波のジュニア新書に入っている『物理の小事典』でエントロピーを調べますと、「熱や物質の乱雑な拡散を示す{状態量}」と定義されています。物理学者広瀬立成氏によると、エントロピーの語源は、「ギリシャ語の変化、発展に起源があり、発散とか散逸を意味している」とあります。ネットでは永井俊哉氏が物理学の嫌いな人の為に、「不確定性、乱雑さ、無秩序の度合いである」といった理解でよいと言っています。このエントロピーが自然界で増加するというのが、熱力学第二法則だというわけです。
 それでチャンはその章の終わりの補遺で、幾つかの有名な記述を取り上げています。
 「…熱が低温の物体から高温の物体に自然に移動することはありえない」(ルドルフ・クラウジウス=第二法則の元祖)。
 「実際にある過程が進行しているとき、その関与するすべての系をその元の状態に戻す方法は存在しない」(ギルバート・ルイス)。
 「熱力学第二法則は、『コップ一杯の水を海の中に注いだとすると、再び同じ水を取ることは不可能である』というのと同じくらい正しい」(ジェームズ・クラーク・マクスウェル)。
 上記のような易しい表現なら、私たちが日常で経験する事で、理解しやすいでしょう。その卑近な例が聖書にもあります。
 「私たちは、必ず死ぬ者です。私たちは地面にこぼれて、もう集めることのできない水のようなものです…」(サムエル第二14:14)。
 このみことばの後半のたとえが、まさに第二法則=エントロピー増加の法則となります。水は散逸して決して元の状態に戻せません。勿論私たちが必ず死ぬという事も同じです。テコアの女はこの法則を確立したクラウジウスの事など勿論知っていませんでしたが、神の霊感を受けてその真理を言い表した、と言って良いでしょう。神は人間堕落後、この法則を全てに適用しておられます。クラウジウスを待たなくても、既に全知全能の方として熟知しておられたのです。