ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

石黒耀著『死都日本』とソドム・ゴモラの滅亡、ロトの妻の死

 石黒耀著『死都日本』は火山国日本で20XX年に生じた破局噴火で日本全体が滅びる事を、豊富な地学的知識と豊かな想像力で描き切っています。大著ですが、一気に読み通す事が出来ました。
 その中で石黒氏は有名なポンペイのヴェスヴィオ火山に触れています。
 ポンペイはローマ南東の地にあった古代都市でした。その真北にヴェスヴィオ火山があります。私が小さな頃フニクリ・フニクラという民謡を兄がオルガンで演奏してくれたので覚えています。

(写真はhttp://rimaroom.jugem.jp/?eid=239より拝借しました) 
 西暦79年にこの火山が大爆発しました。ネットの情報ではこの大爆発は三日三晩続いたとの事です。その初期は専ら火山弾と火山灰で、噴火の翌日の灰の層は何と5〜7メートルに達したそうです。しかしその段階で市民たちの相当数が避難出来ました。しかし次の段階が恐ろしい火砕流と火砕サージ(*火砕流本体部の周りを包み本体に先行する高速の熱風部分=ネット情報)で、完全にポンペイは埋没してしまいました。
 1709年にその都市が偶然見つかり、考古学的調査でその全貌が復元されました。
 石黒氏はこのポンペイで普通の市民ではなく、「資産階層の死者が目立ちます」と言っています。それは彼らが「後ろを顧み」、持っていた財産に固執して逃げ遅れたケースが多」かったからだそうです。彼らが火災サージに巻き込まれたようです。
 そこで石黒氏は創世19の「ロトの妻」に言及しています。
 「…そのひとりは言った。『いのちがけで逃げなさい。うしろを振り返ってはいけない。この低地のどこででも立ち止まってはならない。山に逃げなさい。さもないと滅ぼされてしまう。』」(創世19:17)。
 そのひとりとは主の使いです。彼はロトと妻と娘2人に警告し、主が「硫黄の火」を降らせソドムの町を全滅させられるから、早く逃げてうしろを振り返ってはいけないと言いました。
 石黒氏はこの硫黄の火を破局的な火砕流と、このフィクションの中で想像しています。たぶんそうでしょう。
 しかしロトの妻はソドムの家に残して来たものが気になって、振り返ってしまったので、瞬時に死んで「塩の柱」となりました。この塩の柱ですが、低地は今死海になっている所で、塩分濃度が高く、火災サージと共に飛んで来た塩の結晶が妻の全身を包んでしまったのではないかと思います。
 破局噴火でうしろを振り向かないで逃げたポンペイ市民と、財産を惜しみうしろを振り返っただけでなく、それを運び出そうとしてやられた資産家たち、この対比はロトとその妻とはちょっと違いますが、今日日本で破局噴火が起こるという警報が出された時、いかにもありそうな事です。