ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

今週のお題「都会or田舎?」

 今から12年ほど前、都会から田舎に引っ越しました。
 古い分譲地の真ん中で、周囲は地価が下がったために売るに売れず放置されている区画ばかりでした。
 向かいにその田舎の農家の方から指南を受けて農業を覚え、3区画ほどを開拓して週末に都会から車でやって来るご夫妻がいました。
 空き地はヨシの原っぱで、その中にはいばらも生えているような所でしたが、よく開墾し、様々な野菜を作っていました。
 それがあまりに見事なので、私も見よう見まねで、近くのホームセンターから苗や種を買って蒔いてみました。
 しかし除去したはずのヨシは大変繁殖力があって、開墾したばかりの場所に容赦なく入り込んで来ます。ですから夏は汗水たらしてヨシ狩りをした後、苦労して畝を作り種を蒔きました。またきゅうりやナスは苗を買って植えました。隣の専業農家の人が耕運機できれいに土をならしているのを尻目に。
 肥料は有機で石灰を多用しましたし、なぜかヨシを除去した後の土は良質で、たくさんの野菜が出来ました。
 醍醐味は苗よりも種を蒔いて、それが芽を出し徐々に成長してゆくのを観察するのが出来た事でした。しかし苗が成長すれば、雑草もまたそれに覆い被さって来ます。毎日が雑草との戦いと言ってもよいくらいでした。
 そうやって苦労して肥料を追加し水まきをし、収穫物を手にとると、何とも言えない幸福感に満ち溢れたものでした。
 ところが10年経過して気がついた時、地下茎の絡んだヨシ狩りで足を痛め、静脈瘤が出来てしまいました。その為田舎で必須の車に乗る事が出来なくなりました。
 するとどうでしょう。それまでは当たり前のように車に乗って、日常の必需品を買いに行く事が出来たのに、駄目になった途端、歩いては行けなくなりました。
 引っ越した当時はまだバスが近くを通っていましたが、インフラ整備どころか、次々と路線バスが廃止されてしまいました。
 そうなると完全にピンチです。もし夫婦とか家族で来て、誰かが健康なら何とかなるでしょう。しかし一人者ですと、途端に生活が困難になります。夫婦のうち車の運転出来た人が病気になったり、亡くなったりしても悲劇です。
 そこで思い切って「出田舎」、都会に引っ越しました。
 電車もバスも通っており、すぐ近くに銀行や郵便局、病院、スーパーがあって徒歩で行く事が出来る!これほど嬉しいと思った事はありませんでした。しかも図書館の分館が多くあって、パソコンで検索しては借りる事が出来るのは、読書を趣味としている私には驚きであり、この上もないほど嬉しい事でした。
 その点田舎よりも都会の方がかえって安上がりであるという事が出来ます。
 今元気でも年をとれば自由に動けなくなるという当然の事を考えますと、働けるうちは田舎で、働けなくなったら都会へ戻るという事が、賢明な選択であるように思われます。