ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

堅固な橋脚の石組みと川底の石張り

 講談社ブルーバックスの「図解橋の科学」は極めて興味深い本でした。
 兵庫の明石海峡に架かっている世界最長の明石海峡大橋が工事の途上にあった1995年、あの阪神大震災が起こりました。その時の震源がこの橋の真下あたりという事で、橋梁構造物が破壊され、橋の大損壊が起こると思いました。当時姫路の北に住んでいて、そこでさえ横揺れがもう少し続けば倒壊しそうだという恐い思いをしましたが、まして震源の直上のこの橋はどうなるのだろうかと心配していました。けれども微小なずれが生じただけで済んだのは、奇跡的だと言ってもよいでしょう。それより日本の土木工学の水準の高さを見せつけられた感じです。
 この本からいろいろな事を学びましたが、一番面白かったのは山口県岩国市にある錦帯橋の事です。
 岩国城主第三代目の吉川広嘉は、河川工事に関して優れた頭脳を持っていたそうですが、幾度も流される橋に頭を悩まし、丈夫な木のアーチ橋を作りました。しかしそれも大洪水で流されてしまったのです。その原因は一体何だったのでしょうか。
 橋脚は洪水のような強い流れがあると、その周囲で渦が出来ます。そしてそれが橋脚周囲の川底を削り、深く掘り下げてしまうそうです。それを「洗掘」というのだそうです。
 ですからそれに出会えば、橋は当然倒壊してしまいます。
 そこで吉川広嘉はすごい事を考えました。それはこれまでにも増して堅固な橋脚の石組みを行い、しかも洗掘が起こらないように、川底に石を張り詰めたのです。もはやそこに泥や砂が溜まる余地はありません。
 これは本当にすばらしい知恵でした。そして洗掘を防ぐこの技術は、上記明石海峡大橋の橋脚でも生かされているという事を知って、これなら未曾有の激変でも生じない限り大丈夫だなと思いました。
 この川底の石張り、今でも水深が浅い時見る事が出来るそうです。

 この礎としての川底の石張りは堅固な橋脚の為になくてはならぬものです。これと相俟って上部構造としての橋がしっかり立つ事になります。
 それを聖書に適用してみますと、この川底の石張りこそ、礎石としての救い主イエス・キリスト、橋脚は教会(使徒と新約の預言者たち等から成る)、その上にある橋が私たち個々の信徒とも言えるでしょう。
 「あなたがたは使徒預言者という土台の上に建てられており、キリスト・イエスご自身がその礎石です」(エペソ2:20)。
 私たちはこの堅固な礎石の上に立たない限り、試練の洪水がやって来た時、すぐ倒れてしまいます。
 救い主キリストを土台に据えた確固たる人生を築き挙げては如何?