ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

生命のマンデルブロット集合の細部を知っているのは全知の神のみ

 権威ある科学誌ネイチャーで、エリカ・チェック・ヘイデンという人が、『生命は複雑』という題で論文を書いています。
 この英文で4ページほどぎっしり書かれたものの中に、不思議なイラストが散りばめられています。文中の「マンデルブロット集合」という言葉をネットで調べてみました。
 http://www.mathforum.jp/mami/number/number_17/index.htmlというサイトに、その集合が載っていて、比較的単純そうな方程式が示されています。ヘイデン氏のイラストと同じようなものがあったので、借用させて頂きました。

 これを見ますと何か太陽のフレアのようなものが動いていて、次第に拡大され細部まで広がって行くようなイメージです。
 ヘイデン氏の論文の書き出しは、そう遠くない過去、生物学は単純な科学のようだと多くの人々に見られていたとあります。
 それが一変したのが1953年、ワトソンとクリックによるDNAらせん構造の発見でした。続いてヒトゲノム計画というものが出され、2003年にはDNAの全塩基配列が解明されました。研究者たちはその中におよそ10万を越える遺伝子があるという予測を立てていましたが、翌年の精査により、僅か2万1千ほどの蛋白質を規定する遺伝子が見つかっただけでした。
 残りのDNAは「ジャンク=がらくたDNA」と呼ばれ、何の機能も果たしていないものと見なされました。
 ところが研究が進み、ジャンクDNAはがらくたどころか、細胞内で極めて重要な役割を果たしている事が判明し出しました。
 ヘイデン氏はデータが蓄積するにつれて、生物学の複雑さは増大し、「それを深く探求するのは、まるでマンデルブロット集合を連続的に拡大するようなものだ。それは単純な方程式で規定される分布空間のようだが、その境目を詳しく見ると、さらに複雑な模様が現れて来る」と言っています。
 確かに研究は進んでいますが、ゲノム解析は新たな問題に関わる巨大な迷路の扉を開いたようなものでした。研究者たちは知れば知るほど、もっと知るべき事があるのが分かると慨嘆するようになりました。
 蛋白質を規定しないと思われていたジャンクDNAの役割としては、大半が調節作用の役割を果たしている事が分かって来ました。研究者たちは、基本的な事柄について驚くほど認識が甘かった事を思い知らされました。
 ヘイデン氏はここでP53蛋白(P=蛋白、53=53,000分子量)を引き合いに出しています。それは最初癌促進因子と認識されていましたが、すぐ癌抑制因子である事が分かりましたし、他にも損傷を受けたDNAの修復タンパク質の活性化、細胞周期の制御、DNAが修復不可能な損傷を受けた場合に、細胞の自殺であるアポドーシスを誘導するといった多様な働きを持っています(=ウイキペディアより)。
 ヘイデン氏はそれらをP53ネットワークと書き記しています。
 そして最後にヘイデン氏は「生物学のマンデルブロット的複雑さを持った美しい模様は、問題解決の兆候をほとんど示していない」と結論付けています。
 米国創造研究所のブライアン・トーマス氏は、『複雑な細胞は進化の為の余地を全く残しません』という題の論文でヘイデン氏のものを引用しつつ、最後に一連の出来事が「進化」によって生じる事などまずあり得ないので、それは奇跡との区別が不可能だと言って閉じています。
http://www.icr.org/article/complicated-cells-leave-no-room-for/
 ですから人間に過ぎない研究者が生命の多様な働きを極め尽くす事は不可能で、それが出来ると言うのは傲慢です。ただ創造主である神だけが全てをご存知なのです。
 「主は星の数を数え、そのすべてに名をつける。われらの主は偉大であり、力に富み、その英知は測りがたい」(詩147:4−5)