ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

自由が消えるアメリカ

 前にも触れた事のある堤未果さんが、また新しい本を書きました。題名は『アメリカから<自由>が消える』というものです。
 幸い図書館で購入した為、借りて読む事が出来ましたが、あまり宣伝もされておらず、書店でも滅多に見かけません。何だか出版社である扶桑社に対して「見えざる」圧力がかかっているような感じがします。錯覚であれば幸いですが、あの9・11以後のアメリカで起きている恐ろしい事態が、この日本にも波及しつつあるとしたら、と考えるとぞっとします。
 2001年9月11日、堤さんも身近に体験したアメリカの同時多発テロは、その国から「自由」というものをひどく押さえ込む国と化し、恐怖政治支配体制となりつつあります。それは大統領がブッシュからオバマに変わった後も緩和されるどころか、もっと言論弾圧と監視が強化されているようです。オバマ政権が誕生した時のあの高揚感は、その後のロビイストたち(政権や議員に圧力をかける団体)の圧倒的な力で、次々と挫折しています。6月10日の朝日新聞に載ったアリゾナ州の「不法移民対策法」成立も、同じような恐怖政治支配体制の流れの中にあるのでしょう。
 この本の書き出しは2009年デルタ航空機内での「テロ未遂事件」からです。その直後から米国中の要注意人物リストが大幅に増加し、飛行機に搭乗出来ない人々は、キリスト教系平和活動家、市民派弁護士までも及んでいます。
 さらに空港での厳重なチェック体制の為に、新たに高価な「ミリ波スキャナー」が導入され、全身が裸のイメージ画像が公然と映し出されるようになりました。これは裸を隠す事を宗旨としているユダヤ教イスラム教の団体(そして勿論キリスト教団体も)が猛烈に反対していますが、一向に衰えるどころか、世界中で導入されつつあります。
 また空港ばかりか、ありとあらゆる場所で「監視カメラ」が大幅に設置され、少しでも挙動不審と見られた人々の画像が即警察等に送られます。ですから一般の人々は、そうしたリストに載らないよう、びくびくしながら行動しなければなりません。無差別の逮捕から拷問という手法も、人々を恐怖に追いやっています。
 2001年9月の事件後すぐ成立した「愛国者法」は、国内でやり取りされる電話、Eメール、ファクス、インターネットなどの全通信を、政府が強力に監視するする事を主旨としていました。その為にこれまで分離していたCIA,FBIの壁が取り払われたそうです。2006年のアメリカ総人口は3億くらいですが、現在作られている上記の個人情報データベースは、実に5億6千万にのぼり、政府機関で共有されているそうです。
 この時限立法だった「愛国者法」は、その一部がオバマ政権でも延長されているそうです。
 それらによりある日突然逮捕された人々が拷問にかけられる事態となり、アメリカ社会は「物言えば唇寒し」と、全体が沈黙へ向かっており、表現の自由はどんどん消えつつあるようです。勿論反対のデモや集会はひどい弾圧を受けます。
 驚くべき事に、キリスト教大国だったアメリカが今や教会までも監視の標的としています。
 有名な山上の説教「平和をつくる者は幸いです…」(マタイ5:9)がひっかかり、そうした説教をする牧師や福音伝道活動家まで圧力がかかっているそうです。平和運動をしている科学者や大学教授も勿論標的となっています。さらに学校の教師や子どもたち、ジャーナリストも狙われています。
 メディアは操作され、真実が報道されなくなりました。人々はテレビで流される情報を「真実」として受け入れています。
 こうしたルポを読みますと、もはやアメリカから自由、特に言論の自由が失せつつある事を実感します。
 救い主イエス・キリストは「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです」(ヨハネ14:6)と言われました。
 米国の支配者たちも聖書をキリストを信じていると言いながら(その実は違うと思います。うわべだけの信徒!)、キリストの与えられる自由と真実を覆い隠そうとしています。どうやら米国は戦前のナチス・ドイツに近づいているようです。そのグローバル体制の中に日本も組み込まれています。よほど気をつけないと、いつか日本も戦前の東條内閣のように、全く自由を奪われる国と化すかも知れません。