ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

アメリカの落日と軍備縮小

 2001年9月11日の米国同時多発テロは米国民を結束させ、テロリスト撲滅の名のもとに、2003年彼らを支持するイラクに侵攻し大勝利を収め、一見戦争を終結させました。でも撤退を宣言した米国はいまだそこに留まっています。一方で2001年10月にはアフガニスタンに侵攻し、この戦闘はいまだに続いています。この2つの戦闘は泥沼化し、米国はその10年ほどの間に国防費を倍増させています。
 これが米国経済を大幅に悪化させ、2010年8月現在、失業率は10パーセントに迫って来ています。あの9・11の頃の米国民の高揚感は全く薄れ、今や厭戦気分は国中に溢れているのではないでしょうか。僅か2パーセントのリッチな強欲者と、その他の貧困化して生きるのが精一杯な人々の間の乖離の中で。
 ノーベル経済学賞を受けたポール・クルーグマン教授は、ニューヨークタイムズ電子版で積極的にこうした問題に対する発言をしています。8月8日の論文では「アメリカは暗黒に向かっている」という題の下で、数々の例を挙げながら「アメリカは今や灯りもなく舗装もされていない道を、どことも分からぬところへ進んでいる」と結んでいます。
 一方ニューズウイーク誌の電子版では「反米主義のその後」と題して、もはやヨーロッパその他の国々は、かつての繁栄していた米国が様変わりし、もはや模範とはなり得ないといった論調で、やはり幾つかの例を挙げながら、米国の落日を述べています。その中には欧州はテロリストであるアルカイダよりも、膨大な戦費の出費で世界経済を悪化させている米国への非難を増加させているといった発言も見られますが、全体に米国民は「みすぼらしく」「ぼろぼろの」「使い古しの」といった形容詞的表現も多く出て来て、容赦がありません。
 こうした世界中の非難の中、8月9日のワシントンでは、国防長官が米軍や国防省の大幅なリストラ案を発表した、と10日の朝日新聞夕刊にありました。
 米国史上最悪の財政赤字の大要因がこの2つの戦争である事を彼は認めています。その9兆近い削減額は、当然行き詰まっている米国経済復活の為に用いられなければならないでしょう。
 それらを考えながら聖書からの教えを紐解くと、改めて主イエス・キリストの言われた「剣を取る者はみな剣で滅びます」(マタイ26:52)というみことばが説得力をもって迫って来ます。
 また米国のように戦いに明け暮れて来たダビデが主の宮を建設しようと思った時、主から次のようなみことばがありました。「あなたは多くの血を流し、大きな戦いをしてきた。あなたはわたしの名のために家を建ててはならない。あなたは、わたしの前に多くの血を地に流してきたからである。見よ。あなたにひとりの子が生まれる。彼は穏やかな人になり、わたしは、彼に安息を与えて、回りのすべての敵に煩わされないようにする。彼の名がソロモンと呼ばれるのはそのためである。彼の世に、わたしはイスラエルに平和と平穏を与えよう」(歴代第一22:8−9)。
 かつてオバマが米国大統領となった時、熱狂的な歓迎を受けました。彼なら米国の悪弊を変えられると。しかしオバマはアフガン戦闘の為の兵を増派し、なおも戦争を続けています。彼に失望したのは私たちだけではありません。次のソロモン=平和という名称にふさわしい人が米国に起こされない限り、米国と世界に平和と平穏は訪れないでしょう。