ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

チリ鉱山の落盤事故と地の深い所に閉じ込められた人々

 8月23日の新聞ではチリの鉱山で5日に落盤事故があり、生存が絶望視されていた33人の労働者全員がまだ生きている事を伝えていました。
 地下およそ700メートルの狭い避難所においてでした。救助隊はその事故現場を避けて、地下700メートルまで掘削し、遠隔操作によるテレビカメラにより、彼らが元気でいる映像が映し出されました。しかしその後の報道では、このテレビカメラに出なかった5人の人々がいる事が分かりました。彼らは既に鬱の状態だそうです。
 実際人間はこうした環境のよくない狭い場所に閉じ込められると、無気力になり鬱病を併発しやすいとの事です。それと8月27日の新聞によると、北大の本間教授が起こり得る事態を述べています。それは太陽の届かないこうした深い所では、「体内時計」が狂って(長時間の飛行機搭乗による時差ボケと同じ)、睡眠障害、思考や食欲の低下が生じるという事です。幸いこの深い坑内では証明設備が働いている為、それを調節する事によって体内時計を地上と同じリズムに保てるようです。
 また地上との手紙などによるやり取りも、閉じ込められた人々を元気付け、精神的な状態を良い方向に持ってゆけそうです。
 ただ阪神大震災でも経験した事ですが、トイレが使えないという事は、確かに衛生面では問題で(あの時は特にお年寄りが我慢してトイレに行かず、若干の障害が出たように記憶しています)、食料や水には細かい配慮が必要になってくるでしょう。
 現場は新たな落盤の可能性もあり、これからの救援活動は困難が伴う為、慎重に少しづつ掘り下げて行くそうで、最低でも4ヶ月はかかるとの事です。
 もしこの地下深い所で暗闇の状態だったらどうなっていたでしょうか。ローソクなどは補給出来そうですが、それは掘削孔が開通してからの事で、それまでに闇の状態が続いていたとしたら、人々は絶望して発作的に死を選ぶ事だってあり得たかも知れません。
 天声人語の著者は高所より閉所の方が恐怖を感じるといった事を書いていました。是非33人が無事救出される事を願います。
 ところでこの地下深い所に閉じ込められるといった苦痛については、聖書でも触れられています。
 英語でHELLと訳されている言葉は、一般に旧約ヘブル語ではシェオル、新約ギリシャ語ではハデスとなっています。ただ邦訳としては「よみ」という言葉が一般的です。そこは死んだ者が下ってゆく地下の深いところと解されています。
 「彼らとすべて彼らに属する者は、生きながら、よみに下り、地は彼らを包んでしまい、彼らは集会の中から滅び去った」(民数16:33)。
 主イエス・キリストは地上でのご生涯の間、たった一度だけこのハデスの具体的状況に触れておられました。「その金持ちは、ハデスで苦しみながら目を上げると、アブラハムが、はるかかなたに見えた。しかも、そのふところにラザロが見えた」(ルカ16:23)。つまりハデス=よみに於いては、二つの区画があり、一つは信仰を持って死んだラザロという人の魂が安らかにいるアブアハムのふところという所、もう一つは信仰なくして死んだ金持ちが苦しみもだえる本来のハデスです。そして聖書はそのハデスに閉じ込められた未信仰者たちが永遠に苦しむ「第二の死」の場所であるゲヘナにも触れています。イエスの復活後は区画は一つでハデスだけです。信徒は死んだ後、即天に召されます。
 私たち信徒としては、どうしても救い主イエス・キリストを基準に、自由で永遠の国である天国と、閉じ込められ永遠の苦しみに繋がるハデスの事を思わないわけには行きません。ですから全ての人が天国へ行く事が出来るよう、福音を伝え、祈っています。
 チリの落盤事故からどうしてもその事を連想してしまいましたが、再度今も閉じ込められている人々が全員無事に救出される事を祈ります。