ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

髪の毛のコルチゾールで心臓発作に繋がるストレス測定

 9月6日のサイエンス・デイリー電子版サイトに、「髪の毛は慢性的なストレスと心臓発作の関連性を証明する」という題の短い論文が載りました。
 仕事や夫婦間の問題やお金の問題に関わるストレスは、心臓発作などを増加させる危険な因子である、という事は一般に良く知られています。
 最近新聞を読む時、すぐ目が行くのは人の死亡欄です。80歳も過ぎれば、死因ががんでも、ああこの人は長寿を全うしたなと思いますが、私と同じ60代でしかも会社ではバリバリの要職にある人が亡くなった時、その原因を見ますと結構「心不全」と書かれてある事が多いような気がします。この厳しい競争社会では、これからもストレスによる心臓発作で亡くなる人が絶えないでしょう。
 今回西オンタリオ大学における研究者たちは、こうした慢性的に蓄積してゆくストレスの度合いをどう算定すべきかという発想から得た成果です。それは何かと言いますと、髪の毛にあるコルチゾールという物質の濃度を測定する事でした。
 コルチゾールと毛髪との関係は、既にネットでも紹介されていますから(http://www.nutritio.net/linkdediet/FMPro?-db=NEWS.fp5&-format=news_detail.htm&-lay=lay&KibanID=28896&-find)、それを引用させて頂きます。「コルチゾールはストレス・ホルモンとして知られるホルモンの一種。ストレスがあると分泌が増加することが知られている」。なるほど。
 そこで研究者たちは人体でコルチゾールが見つかるところのうち、特に髪の毛に注目しました。チームの一員コーレン博士は、平均的な髪の毛が1ヶ月に1センチ伸びる事を知っていたので、6センチ分の髪の毛を集めれば、最近6ヶ月のストレスの度合いが分かると考えました。
 しかし実際の測定はイスラエルのメディカル・センターに心臓発作で入院中の男性56人から、3センチ分の髪の毛を集め、心臓発作以外で入院していた人との比較対照により実施されました。
 その結果危険因子としてのコルチゾールが、最も強力な心臓発作予測の手掛かりとして浮かび上がって来たわけです。
 これは興味深い成果ではないでしょうか。ストレスの多い職業に就いている人々が、手軽にコルチゾール測定装置で計測してもらい、健康管理に役立てられたら、突然の心臓発作で亡くなる事例は減るのではないかと思います。
 ところでこの髪の毛ですが、聖書には面白い例が載っています。サン=サーンスのオペラで有名な「サムソンとデリラ」の話の中のサムソンの事です。
 彼はナジル人と言って神にささげた人(彼の場合は終生)で、髪の毛にかみそりを当てられた事がありませんでした。彼の強い力はその髪の毛にありました。
 「私の頭には、かみそりが当てられたことがない。私は母の胎内にいるときから、神へのナジル人だからだ。もし私の髪の毛がそり落とされたら、私の力は私から去り、私は弱くなり、普通の人のようになろう」(士師16:17)。
 実際サムソンは事実上の妻デリラの誘惑に負け、その髪の毛七ふさをそり落とされてしまいました。それで「彼の力は彼を去っていた」のです。彼のストレスホルモンは尿や唾液にのみ溜まり、「髪の毛」から検出される余地がありませんでした!彼は囚われの身となり、ストレスが前者の方に溜まりました。しかししばらくして彼の髪の毛はまた伸び始め、コルチゾールはそこに溜まって行ったでしょう。しかし並みの人と違うのは、そこに彼の新たな力も蓄積して行った事です。ストレスが彼を逆に強くしたのです。彼は大勢の敵のいる宮でその「怪力」を遺憾なく発揮し、自爆テロにより三千人を殺して果てました。
 ストレスが多すぎると危険ですが、適度であれば良い仕事が出来るという事かも知れません。コルチゾールからそんな事を考えてみました。