ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

人は二つのものに兼ね仕える事は出来ません

 10月15日の新聞は、柔道界で一世を風靡した谷亮子さんが引退して、政治家としての仕事に専念する事を大きく報じていました。
 ヤワラチャンの愛称で親しまれた谷亮子さんは、高校生の時から柔道でならしていましたが、五輪競技では1992年のバルセロナで銀メダル、96年のアトランタでも銀、2000年のシドニーで金、04年のアテネでも金、08年の北京で銅を獲得し、12年のロンドン五輪を目指していました。この経歴だけでも輝かしいのに、彼女のすごいところは03年に結婚し、05年に第一子を出産した後も、柔道世界選手権で優勝している事です。
 しかし08年の北京五輪以後第二子を出産してからは、ずっと試合に出ていませんでした。その彼女がさらにロンドン五輪を目指す為には、高いハードルがあって、10月15日がその締切日でしたが、悩んだ彼女はその日の夕方に柔道引退を正式に決めたのでした。
 その契機は民主党幹事長だった小沢一郎氏からの政界進出の誘いでした。それを受けて彼女は7月の参議院選挙に臨み当選しました。しかしその時点ではまだロンドン五輪を捨てられず、政治家と柔道選手との二束のわらじを履いていた為、柔道以上に大切な国政の事ですから、その行動は国民の批判も浴びました。
 柔道のメダルを目指す事と、参議院議員として政治活動をする事は、どちらも軽視出来ません。幾らスーパーウーマンであろうと、そこには限界があります。
 それで上記のように柔道を捨てる決断をしたわけです。私だったらどちらを選択すべきか分かりません。しかし柔道という厳しい競争の為に子育てをないがしろにするなら、あまりほめられた事ではありません。とにかく悩んだ末に一方だけを選択したのは賢明であったと思われます。
 実は聖書でも主なる神であるイエス・キリストが同じような事例で、以下のような勧めをしておられます。
 「だれも、ふたりの主人に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛したり、一方を重んじて他方を軽んじたりするからです。あなたがたは、神にも仕え、また富にも仕えるということはできません」(マタイ6:24)。
 ここでは神を愛して仕える事と、世の富を愛してその奴隷になる事の2つを兼ね備える事の不可能さが語られています。
 主イエスはここで「富」と訳されている言葉(ギリシャ語マモナス=物質主義的な神という意味合いがあります)を、神との関わりで擬人化して用いておられます。それゆえその特殊なギリシャ語は全く同じ福音書であるルカ16:13との合計2箇所にしか見られません。
 私たち救われた者は、主イエスより「心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ」(マタイ22:37)と命じられています。ですから日常最小限のお金は大切に管理しますが、決してそれを「マモナス」の位まで引き上げる事は出来ません。ひたすら神にのみ仕えます。
 しかし世のまだ救い主イエス・キリストを愛していない(=信じていない)人々は、このマモナスを愛し、その追求に躍起になっています。その人々は「金銭を愛することが、あらゆる悪の根…」(テモテ第一6:10)というみことばを肝に銘じ、翻って主を愛するようになって欲しいです。