ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

森岡の南部鉄鍋料理と聖書のなべのたとえ

 10月26日の朝日新聞夕刊に森岡の南部鉄器の事が紹介されていました。私たちには通称「南部鉄なべ」「南部鉄瓶」としてよく知れ渡っています。
 その完成までに60工程を費やすという事ですから、売られているのは結構値段の高いものでしょう。
 載っている写真は鉄の急須ですが、よく見ますと、施された模様が一つ一つ違っているようです。まるで土器の器のようです。相手が鉄ですから、それだけでも相当な労力を要する事は、容易に想像されます。まさに手作りの優れた工芸品です。
 朝日の記者はその職人の一人水澤繁樹さんにインタビューしています。答えて曰く「南部鉄器は長く使えば使うほど肌の色合いが変わり、味わいがでてきます…」。ですから買って所持している人々には愛着の湧く貴重な食器なのでしょう。
 それに重厚な鉄の製品ですから、貧血の研究者で岩手大学名誉教授の及川さんは「南部鉄器からは吸収がよい鉄分が摂取できます」と言っています。私も鉄欠乏性貧血がありますが、病気をして鉄分の多い野菜や肉を長らく食べられなかった事が原因だと思います。そうした人々には、この鉄器を火にかけ、ことこと煮物を作れば、溶出する鉄分が多くなり、とりわけこの南部鉄器の鉄は、体内に吸収されやすいものだそうです。経済的に余裕のある人は、それを買って頻繁に使用すれば、貧血が解消されるかも知れません。及川さんは「寒い季節を迎え、すき焼きやビーフシチューに鉄鍋を使うのはおすすめです」と推奨しています。
 おそらく使わないで長く放置していても、さびなど出にくいのではないかと思われます。若い意欲のある後継者が多いのは頼もしい事です。
 ところで聖書にもなべは出て来ます。青銅のなべです。
 「あなたは、反逆の家に一つのたとえを語って言え。神である主はこう仰せられる。なべを火にかけ、これを据え、水をこれに注ぎ入れよ。これに肉の切れ、ももと肩の良い肉の切れをみないっしょに入れ、えり抜きの骨でこれを満たせ。えり抜きの羊を取れ。なべの下には、まきを積み、よく沸騰させて、その中の骨も煮よ…ああ。流血の町、さびついているなべ。そのさびは落とせない。一切れずつそれを取り出せ…なべをからにして炭火にかけ、その青銅を熱くして、その中のけがれを溶かし、さびがなくなるようにせよ。しかし、その骨おりはむだだった。そのひどいさびはそれから落ちず、そのさびは、なお、火の中にあった。あなたのみだらなけがれを見て、わたしはあなたをきよめようとしたが、あなたはきよくなろうともしなかった…」(エゼキエル24:3〜6,11〜13)。
 少し難しいたとえです。反逆の家はユダ王国なべはエルサレム、肉や骨はエルサレムのけがれた住民、さびは汚れた罪悪を指しています。なべを沸騰させる事は神の厳しい裁きを意味します。一切れずつ取り出す事は、住民一人一人の裁きです。敵バビロンの飢えた兵士たちの良い食餌です。さびついているなべのさびは、まだエルサレムの町が罪悪で満ちている事です。従って神はさらにからなべ=エルサレム全体を沸騰させ、さび=汚れた罪悪を除去しようとされます。神は一段とその民の汚れに対する怒りを沸騰させましたが、その罰は効果が上がらず、汚れは取り除かれませんでした。その為神は究極の裁きを下し、エルサレムの民はバビロン捕囚となったのでした。
 これは今日の私たちにも適用されます。神は人々の罪を嫌い、悔い改めて神の方向に向き直らない限り、怒りを沸騰させ、人々を滅ぼされます。この神を畏れて歩むべきではないですか。