ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

イーエヌ大塚製薬の「アイート」食、硬い食べ物と聖書

 10月20日の天声人語岩手県を根拠地とするイーエヌ大塚製薬が新発売した「アイート」食に関する紹介記事がありました。
 記者はまず「あらゆる欲望の中で、一番の長生きは食欲らしい」という書き出しで、家事評論家吉沢久子さんの『幸せになる長寿ごはん』という本から引用をしています。「自分の目や舌、胃袋を喜ばせるためにつくる料理は、若さを保つ上でも役に立っているようです」。
 まさにその通りだと思います。口から食べ、舌で味を感じながら、食道へ流し込み、胃で消化するという普通の健康な人なら経験する至福の思い、それで人生を全う出来たら嬉しい限りです。
 私にしてみたら、神から与えられたこの仕組みを30代で自ら壊してしまいました。好きでない日本酒を飲まされ、吐いて吐いて遂に食道の血管を裂いてしまいました。マロリー・ワイス氏病というのだそうですが、手遅れにした為出血している食道の一部と胃を全摘してしまう結果になりました。しかもその副作用で後年胆嚢も小腸末端から横行結腸まで切り取っています。
 その最初の手術後しばらく、腸からの栄養補給を、術後の痛みを堪えながら行なってもらった事があります。ただ腸に冷たく染み渡るだけの味気ない食事、もう二度と経験したくありません。
 しかしそれから30数年経た現在、牛乳が長らく駄目だったせいで歯はがたがたですが、味覚を感じる舌は正常で、腸が空腹を感じ、自ら食事を作り、喉越しの醍醐味を楽しんでいます。
 これが噛む力を失った患者さんや、嚥下障害の出始めている高齢者の方々ですと、口からの摂取は難しくなります。「胃ろう」を作り、口からの誤嚥で肺炎になるのを防ぐという事が、病院で多く行なわれている事実は以前にも日記で記した事があります。概してそうした方々は生きる気力を失っています。
 ですからそんな障害を持った高齢の患者さんでも、やはり口から食べたいという欲望は最後まで無くならないと思います。
 そうした点を考慮して、この10月22日からイーエヌ大塚製薬は「アイート」食を販売したわけです。ちなみに「アイート」とは、英語の「私は食べる=アイ・イート」から来ているそうですが、なかなかしゃれた名称です。ネットの徳島新聞から引用させて頂きますと、「味と外観は一般の料理と変わらず、口で溶けるほど軟らかいのが大きな特徴」だそうです。栄養価はそのままで、3食1200カロリーが確保出来るそうです。同社は病気の人や高齢者の方々に食べる楽しみを感じてもらえればと意気込んでいますが、そのアイデアに拍手喝采
 ところで聖書を見ますと、この軟らかい食事と硬い食事がみことばの心への吸収と栄養に譬えられています。
 「あなたがたは年数からすれば教師になっていなければならないにもかかわらず、神のことばの初歩をもう一度だれかに教えてもらう必要があるのです。あなたがたは堅い食物ではなく、乳を必要とするようになっています」(ヘブル5:12)。
 これによりますと、クリスチャンといえども一向に成長せず、まだ「乳」という流動食に象徴されるみことばの初歩を、一から学び直さなければならない人々がいると、著者は言っています。ちゃんと教会生活を送り、みことばを実行するようになっている人なら、硬い食物に象徴される難解な箇所でも消化出来るようになるという事です。私は今でも聖書のみことばは一見易しく、且つすごく難しいと感じています。そこがアイート食のように理解出来る通俗の書物との違いだと痛感します。