ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

オリーブの収穫をめぐるイスラエルの入植者とパレスチナ人と戦い

 タイム誌電子版(英語)のサイトでは、10月30日「オリーブ収穫の戦い:パレスチナ人と入植者」という題のルポが載っていました。
 場所はヨルダン川西岸のヘブロン近郊です。秋になりますと、パレスチナ人は一斉にオリーブの収穫の為に外へ出て行きます。イスラエルにおいてはどこにおいても普遍的に見られる樹木で、その実とそれを圧搾して採取する油は、聖書の時代でも儀式や食用の為、盛んに使用されました。それは平和、繁栄、富の象徴ともなっていました。下図は収穫されたオリーブの実で、中央に白く見えるのが、アルミのようなもので出来た隔壁です。タイム誌から借用。

 ところがタイム誌の記者によると、ヘブロンにはイスラエルパレスチナ人を隔てる壁がそびえているだけでなく、パレスチナ側の土地の丘の上にイスラエルが入植して来て、しばしばそこを降り、オリーブの収穫を妨害したり、樹木を切り落としたり、焼き払ったりしているそうです。それは今年に限った事ではなく、もう5年も前から続いている事だそうで、パレスチナ人たちは彼らの理不尽な行為に憎悪を募らせています。イスラエルの軍隊が配備されていて、時々木立の中をパトロールしているそうですが、入植者たちの悪辣な行為を黙認しています。ですからここには正義は存在しません。もはやオリーブは平和と繁栄の象徴どころか、戦いと衰退の象徴となっています。
 ヘブロン近郊は聖書の時代イスラエルの土地でしたから、旧約を信じる彼らには、パレスチナ人の存在は邪魔でしょうがないのでしょう。
 ところで聖書の時代、まだ士師(裁く者)が治めていた時、イスラエルの民は他の国々と同様、自分たちにも王が必要だと主張しました。それに対して主である神は、士師を通し民にこう言っておられます。「あなたがたを治める王の権利はこうだ。王はあなたがたの息子をとり、彼らを自分の戦車や馬に乗せ、自分の戦車の前を走らせる…あなたがたの畑や、ぶどう畑や、オリーブ畑の良い所を取り上げて、自分の家来たちに与える…あなたがたは王の奴隷となる。その日になって、あなたがたが、自分たちに選んだ王ゆえに、助けを求めて叫んでも、その日、主はあなたがたに答えてくださらない」(サムエル第一8:11,14,17,18)。
 このみことばを今日に適用すれば、イスラエルの国の権力者たちは、自分たちの都合のよいように民(パレスチナ人を含む)のオリーブ畑の良い所を取り上げ、入植者たちに与える、と読み変える事が出来ます。
 こうしてイスラエルパレスチナの間には、双方を取り持つ仲介者がいません。それが実現するのは終末の時です。「新しい契約の仲介者イエス」(ヘブル12:24)が地上に再臨される時、初めてイスラエルは悔い改め、自分たちが突き刺した救い主イエス・キリストを仰ぎ見て、パレスチナ人(勿論キリスト教信徒)との間に永遠の平和と繁栄が到来します。