ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

熱力学第二法則は創造のはじめから

 物理学における「熱力学第二法則」は、なかなか把握しにくいものです。書店にはそれに関わる参考書が幾つも並んでいて、出来るだけ分かりやすく説明する努力がされているようです。私も何冊か買って読み、勉強してみましたが、理解は今一つです。それほど難しい数式は出て来ませんが、普通の力学のように把握出来ません。でも著者らは分かりやすい譬えでもって説明してくれます。
 一番分かりやすいのは、コップからこぼれた水でしょう。それは自然のままで二度とコップに戻りません。覆水盆に返らずです。また私たちの部屋の状態を考えてみましょう。もし掃除もしないで放置しておいたら、その部屋の乱雑さは増す一方であるという事は、私たちが日常体験する事実です。この不確定性、乱雑さ、無秩序の度合いの事を「エントロピー」という言葉で形容します。19世紀にドイツのクラウジウスという人が造ったものです。しかしそのエントロピーという概念を正確に把握する為には、物理学や物理化学で「うんうんうなりながら」勉強しなければならないのは、既に上記しました。
 しかしそれが普遍的事実である事は、身近な事例でもって素人でも分かるので、聖書の世界では創造論の父とも言うべき故ヘンリー・モリス博士によって、早くから提唱されていました。名著『創世記の洪水』にも出て来ますが、今は日本での先駆者である宇佐海正海先生の訳された博士の『創世記の記録』から引用してみます。「生物も無生物も、あらゆる物は、ついには滅び、朽ち、年をとり、ちりに帰るという事実は、私たちが広く経験することです。この傾向があまりに普遍的なので…クラウジウス、ケルビンその他の科学者によって、現在熱力学第二法則と呼ばれている基本的科学法則にまとめられました。この法則は、すべての系は放置されるなら、崩壊し自滅する傾向にあると述べています…」。
 ですからモリス博士は、この法則を聖書における人間の堕落以後に適用される事とし、神による創造の時には万物が「非常によかった」から用いられないとしました。それは進化論反駁の為の非常に強力な武器となったので、クリスチャンたちはごく最近までその事を信じていました。
 しかし11月4日の創造論AiGサイトで、トミー・ミッチェル博士が『人間堕落の時から熱力学第二法則は始まったーこの主張をクリスチャンたちは用いてはならない』という論文を出しています。こうした類の論文は私が知る限り初めてのものです。すべてを紹介出来ませんが(著作権により)かいつまんで述べてみたいと思います。
 もし物事が衰退縮小しているというなら、それは人が罪を犯し、呪いという結果をもたらすまでは始まらなかったという事になるのだろうか。その言い方はよく調べれば真実ではない、と博士は主張しています。そして実際にはそれは悪い事ではないとし、幾つか例を挙げています。
 食べ物が消化され、もっと単純な分子に分解される事、園の丘を上り下りする時の摩擦、呼吸、太陽による地球の暖め(=太陽はエネルギーを失う)、さらに卑近な例として、エバが冷たい水に手を浸して水を飲んだ後、アダムが近寄って来てその手を握ったら、その熱は妻の冷えた手を温めたであろう事です。それらはまさに熱力学第二法則そのものの事象です。
 ですからはじめの完全な創造の時点からエントロピーは存在していたという事になります。
 もっと詳しく読んでみたい方は、英文ですがhttp://www.answersingenesis.org/articles/2010/11/02/second-law-of-thermodynamicsにアクセスしてみて下さい。私たち信徒はこの法則の用い方には気をつけなければなりません。