ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

奈良の大極殿、朱雀門、興福寺中金堂で使われた国産材、外国産材と聖書の神殿の木材

 朝日新聞の11月11日夕刊に「木造文化財 再建ピンチ」という見出しで、最近建築された奈良の大極殿、少し前の朱雀門、そして建築中の興福寺中金堂で使用された国産の材木、外国産の材木の事が紹介されていました。
 写真を見ますと、立派な大木が贅沢に使われている事が分かります。朝日の記者が言うように、極めて迫力のあるものです。
 しかし記事を読んで行くと、今後こうした立派な大木を日本の森で入手するのは極めて難しく、例えばアフリカなどの外国産材も取引規制で、これまた困難になって来ているとありました。
 一般に豊かな日本の森林というイメージがありますが、実のところそうした建築物で頻繁に使用されてきたヒノキやケヤキが取り尽くされてしまった為に、今後は木造文化財を再建しようにも出来なくなりそうだという予測がされています。ですから「再建ピンチ」の見出しとなったのでしょう。
 ところでスギがヒノキ科に属する常緑針葉樹であるとは、ウイキペディアを見るまでうかつにも気付きませんでした。花粉症が蔓延する中、極めて評判の悪いスギですが、戦後材木を目的とする人工林として、日本中で積極的に植樹されているようです。かつて茨城にいた時、その30センチ位の幼木を取ってきて、庭に植えた事がありますが、10年もしたら高さが5メートルを越えてしまうほどに成長してしまい、大いに困った経験をしました。
 そのスギが上記のような宮などでは使用されていません。針葉樹のヒノキと広葉樹のケヤキばかりです。なぜでしょうか。登ってみて枝が折れやすいのは分かりました。強度がヒノキやケヤキに比べ劣るからでしょうか。どなたか教えて下さい。
 危機に陥っているヒノキですが、着工から9年を経て完成した大極殿の場合、何と木材集めに8年が費やされ、費用も100億円に達したと記事にあります。その伐採場所は奈良からそう遠くはありません。一方興福寺中金堂ではアフリカ・カメルーンケヤキを輸入して建造中との事です。立柱式の写真を見ますと、立派なもので国産にひけをとらないように見えます。
 では聖書における有名なエルサレムの神殿の場合はどうだったのでしょうか。
 イスラエルの第二代王ダビデは主の為の神殿建設のビジョンを与えられましたが、実際にはその子ソロモンの時に建設計画が実施されます。
 その神殿の基本構造は列王第一6を見ますと、「石切り場で完全に仕上げられた石」(6:7)が用いられました。しかしその神殿内部は床から天井まで板が張られる事になり、主としてスギが用いられましたが、床はもみの木の板が張られました。
 「彼は神殿の内側の壁を杉の板で張り、神殿の床から天井の壁に至るまで、内側を板で張った。なお神殿の床はもみの木の板で張った」(同6:15)。
 この多量の杉の木材はどこで調達したのでしょうか。ダビデと親交のあったツロ(レバノン共和国ティルス)の王ヒラムが神殿建設の事を聞き、その家来たちをソロモンのもとに派遣したのがきっかけで、彼がヒラムに要請したのです。
 「どうか、私のために、レバノンから杉の木を切り出すように命じてください」(同5:6)。その結果ヒラムは「ソロモンに杉の木材ともみの木材とを彼の望むだけ与えた」(同5:10)のです。というのはツロの東にはレバノン山脈があって、有名なレバノン杉やもみが豊富にあったからです。
 日本の宮造りに欠かせないヒノキと、イスラエルの神殿造りに用いられたレバノンスギの事を比較してみました。