ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

デューラー版画展に寄せて

 聖書の記事から豊かな想像を交えて、極めてリアルに描く画家としてカラヴァッジョが有名ですし、私もその絵画をこよなく愛する者の一人です。
 今回朝日新聞の美術欄では、アルブレヒト・デューラーの版画展が、東京芸大国立西洋美術館で開かれている為に、彼の作品とその紹介記事が載っていました。
 デューラーもまた聖書に関わる木版画や銅板画を多く残しているとは知りませんでした。そこで学習院大学のウエブライブラリを閲覧しながら、彼の版画を楽しみました(http://www.gakushuin.ac.jp/univ/g-hum/art/web_library/author/arikawa/durer/index.html)。ちなみに私の所属する教会では「祈りの手」という作品の画像を壁に掲げています。
 朝日では主として国立西洋美術館での展示品について、芸大の佐藤直樹准教授が解説しています。そこでは「宗教」「肖像」「自然」の三つのテーマで並べられてあるそうです。時間とお金があれば近いので行きたいですが、残念ながら…。
 佐藤准教授は「宗教」テーマの版画で、1504年の「キリスト降誕」画の事を解説しています。

 そこに細部まで描かれているのは、キリスト降誕の場所である粗末な小屋です。これは「当時の最新技法だった線遠近法を使い、建物を立体的に描写、絵に現実感を与えている」という事だそうです。なるほど。
 学習院大学のウエブライブラリーでは有川治男氏が「建築物によって作り出された空間とその中に配置された人物たちと背後の風景とがしっくり溶け合っている」と言っています。
 デューラーの故郷はワーグナーの楽劇「ニュールンベルクのマイスタージンガー」で有名な、ニュールンベルクでした。そこは15世紀半ば以降ドイツ文化の中心地として出版業が盛んだったそうで、その流れの中で彼は木版画や銅板画を盛んに制作したようです。彼には勿論油彩画もありますが、有川氏の解説では、版画には相当劣るという事でした。
 12月に入りました。教会では救い主イエス・キリストの降誕を記念しての特別集会企画が盛んです。私の教会も23日に予定しています。チェロを弾く私の友人も駆けつけてくれます。最後の「きよしこの夜」を心を込めた大合唱で締めくくりたいと思います。同時にキリストを知らない方々にも、なぜ地上の粗末な小屋で降誕されたのかを是非知って欲しいと願っています。