ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

酸っぱい味を感じる仕組みの新発見

 2010年11月26日のサイエンスデイリサイト(英文)には、「酸っぱい味を人々はどう感じるのか」という題の論文が載りました。
 新発見をしたのは南カリフォルニア大学の研究者たちです。
 従来5つの味覚のうち、酸っぱさを感じる仕組みはほとんど究明されていませんでした。
 酸は陽子を放出し塩基となります。この陽子がどのようにして味覚系を活性化するのか、これまでよく知られていませんでした。細胞外にへばりついた酸の陽子が細胞膜孔を開けてナトリウムを内部に入れ、それが電気的反応を脳にもたらし、酸っぱいと感じる感覚を知らせるものと想定されていました。
 ところが研究者たちによると、期待に反してその陽子自体が細胞内に入り、直接電気的反応を引き起こすという事を発見したのです。
 舌には食べ物の味を感じる約1万個の味蕾というものが存在します。昔それは舌の異なる領域において異なる味を感じる仕組みになっているとされ、それらにより味覚分布地図というものが出来ていました。ごく最近まで教科書にはそれが載っていたと記憶しています。しかし現在それは間違いで、舌のすべての領域で同じであるという事が分かりました。それらは酸っぱみに対してどう反応し、脳にどう伝達されるのでしょうか。
 深く理解のする為には、元のPNAS誌電子版を読まなければなりませんが、残念ながら私が閲覧出来るのはその要約だけです。
 それによりますと、酸っぱみを感じる受容体としては、一過性受容体電位型チャネル(TRPチャネル)という膜タンパク質のうち、PKD2L1タンパク質というものが陽子を細胞膜内に直接入れる事が分かったという事のようです。東大の研究ではPKD1L3タンパク質との複合体が関与しているのではないかと言われていました。面白そうな仕組みですが、PNAS誌の論文を紹介している別のフィズオルグサイトでも、そのあたりが突っ込んで紹介されていません。ちなみにPKDというのは「多発性嚢胞腎症」の事で、私の母がそうでしたが、私も幾つか持っています。それと酸っぱみとの関わり!
 それで酸味を感じる仕組みについては、ここまで。自分としては舌がちゃんと酸っぱい味や塩味を分けて受容しており、そのうち解明されていなかった酸っぱい味を受け入れる仕組みが多少理解出来ただけでも満足でした。創造主なる神のデザインのすばらしさがこうしたところでも発揮されている事を実感した次第です。
 ところでぶどう酒の発酵が進むと、酢になりますが、フランス語では酢を意味する言葉が酸っぱいワインに由来している事をネットで知りました。この酸っぱい、あるいは酢いワインというものが聖書に登場しています。
 「また、彼らのひとりがすぐ走って行って、海綿を取り、それに酸いぶどう酒を含ませて、葦の棒につけ、イエスに飲ませようとした」(マタイ27:48)。
 この酸いぶどう酒は救い主イエス・キリストの十字架刑に関わったローマの兵士が飲んでいたもの、というのが一般的な解釈です。彼らの一人が死の直前で口の渇きを覚えられたイエスに飲ませようとしたのです。その直後イエスは息を引き取られたのでした。
 酸っぱさを脳が感じる仕組みを考えながら、イエス・キリストの最期の時の酸いぶどう酒の事をいろいろ想像しました。