ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ウイキリークス創始者の逮捕で広がった波紋

 ウイキリークスの創始者ジュリアン・アサンジュ氏が米国の外交公電を暴露し、英国当局に出頭逮捕され近頃保釈されました。その間米国ではクリントン国務長官が「これは国際社会への攻撃だ」と非難し、クローリー国務次官補は「これは犯罪だ」とし、刑事的責任を追及する強気の態度に出ました。
 ウイキリークスはこれまでイラク駐留米軍による民間人殺傷事件の動画を公開したり、アフガニスタン駐留米軍に関わる膨大な秘密文書を暴露したりしてきました。それらは米国や米軍にとっては、はなはだ不利となる情報でした。 
 今回の外交公電は外交相手国の主要な人物の寸描も出ていて、米国外交官はこんな思いを相手に対して抱いていたのかと思い、驚きと共に、これまた米国にとっては痛い打撃だと思いました。
 こうした一連の文書はとても読み切れるものではありませんが、とにかく米国が行なった、あるいは行なっている戦争のきたなさや、自国優位の外交姿勢など、次々と明らかになり、その波紋がどんどん広がっています。
 ですから英国警察に逮捕されたアサンジュ氏の理由が、強姦容疑だと言っても、すなおには受け取れません。裏で米国が動いていると勘ぐってしまいます。
 それで言論の自由やインターネットの公正な利用という事を標榜する世界中のハッカーたちが、米国に賛同する企業や権力中枢を狙った、仕返しのサイバー攻撃をしかけ、止まるところを知らない状況が続いています。
 この広がりのすごさに、当の米国は手をこまねいて静観するようになってしまったように見えます。
 米国が蒔いた毒麦がどんどん広がって行く様子は聖書にも適用出来ます。いろいろありますが、一つだけ挙げておきます。
 「彼らの話は癌のように広がるのです。ヒメナオとピレトはその仲間です。」(テモテ第二2:17)
 ここで話と訳された言葉はギリシャ語ロゴスです。もし米国に適用すれば無益な論議といったところでしょうか。核心的な意味である「キリストのみことば」であるなら、ウイキリークスに漏らされたような罪や恥となる事はなかったでしょうし、戦争を起こす事もなかったでしょう。
 癌という言葉も邦訳でそうしたわけですが、ギリシャ語ガングライナは新約ではここだけに出て来ます。からだの部分で炎症がひどくなり腐敗した状態で、それを適切に処置しなければ、悪いところが持続的に広がり、他の部分まで攻撃を受け、骨までむしばまれるような病気といった説明が、聖書学者からされています。米国軍部の腐敗が、ネットという情報伝達手段を透してどんどん広がって行き、相手国をも毒する状態と言えるでしょうか。
 するとヒメナオはイラク戦争を始めたブッシュ前大統領、ピレトはチェイニー元副大統領あたりでしょうか。勿論現大統領オバマにも言えるかも知れません。ウイキリークスの今回の外交文書暴露には必ずしも肯定的なものばかりが含まれているわけではないでしょうが、米国の持つ醜悪な面が露わにされたという意味では評価されるのではないでしょうか。