ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

イスラエルロビー等について

 三井美奈著『イスラエル ユダヤパワーの源泉』を読みました。三井さんは読売新聞記者で、2006年から3年間イスラエル支局長を務めました。その時の経験がこの本に生かされていると思います。
 イスラエルは、聖書を信じる私たちにはその動向が注目される国です。三井さんはまずその著書の半分くらいを費やして、米国による支援の実態を描いています。
 そこに登場するのがいわゆるイスラエルロビーです。副題に「ユダヤパワーの源泉」とあるのも、この米国ロビー団体の援助がモノを言っているからです。
 ちなみにロビー団体というのは、圧力をかけて議員への働きかけをする団体の事です。
 彼らに留まらずユダヤ系米国人は、実に69パーセントが「自分にとって、イスラエルを守ることは非情に重要」と答えています。そして2008年の統計では、彼らの数は527万5千人で、米国人口の約2パーセントを占めるそうです。勿論優秀な彼らの事ですから、政界を始めあらゆる場で数えると、「巨大な人名録」が出来ます。
 しかし三井さんはイスラエルを助けているのは、そうした団体や人々に限らず、キリスト教シオニスト(*シオンはエルサレムの主要な丘で象徴的に用いられており、ユダヤ民族国家再建運動活動家たちのことを指す)と呼ばれる人々もいて、その数も増加傾向にあるそうです。
 そういうわけで、歴代米国大統領も彼らイスラエルロビイストたちの主張を無視する事は出来ません。その際たる人物がクリントンとブッシュJr.だったそうです。
 三井さんによれば、このロビイストのうち最も突出しているのがAIPAC(=American Israel Public Affairs Committee訳して米国・イスラエル公共問題委員会)だそうです。1951年設立、会員は十万ほどですが、実態は秘密のようです。議員や候補者に情報を提供し、自分たちの主張を訴えています。彼らの行動により米国とイスラエル軍需産業が潤っています。
 この本の後半はイスラエル内部の詳細に移っています。いろいろ学ぶところがありました。
 建国の父と呼ばれるテオドール・ヘルツルですが、最初は世俗的な人物だったようです。その彼がシオニズム運動に傾注した結果は悲劇に終わっています。44歳で亡くなり、その家族も自殺したりして、決して神の祝福を受けていません。しかも彼自身は建国の地を必ずしもパレスチナとは考えていなかったそうです。
 ダビド・ベングリオン(初代首相)がエルサレムを初めて確保し、1948年に建国を宣言しました。既に言語は旧約のヘブル語が採択されていましたが、現在のは「人工言語」となっているそうです。確かに旧約聖書のヘブル語と現在イスラエルで使われているものとは若干違いがあります。
 そしてこの時の国名が、「あなたの名は、もうヤコブとは呼ばれない。イスラエルだ。あなたは神と戦い、人と戦って、勝ったからだ」(創世32:28)にちなんで「イスラエル」と命名されたのでした。