ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ここ30年間での米国若者の共感低下

 2011年1月19日号のサイエンティフィックアメリカン誌(電子版英文)に、「最近の研究によると、米国の若者たちの間で共感を覚える能力が低下している事が分かった」という意味の論文がありました。
 私たち人間は他者への理解力では、動物界において世界のチャンピオンであり、この人間関係の優れた能力は、少なくも共感を覚える能力により点火され、人間行動の要、生得のものであると考えられていました。
 ところが最近の研究ではその共感を覚える能力が、ここ30年間において米国の若者たちの間で低下している事が証明された事で、そうした想定が揺らいでいます。しかもこの10年間では急激に低下しているとの事です。ミシガン大学の研究チームが解析しました。さらにサンディエゴ州立大学の心理学教授によると、その時期若者たちの自己申告による「ナルシシズム=自己賛美」が、新記録を出したそうです。
 30年前に比べ、今日の学生たちのほぼ75パーセントに共感の低下が見られるのは、驚くべき事です。
 研究チームはこの能力低下の背景に、学生たちの社会的な孤立があると見ています。過去30年間においては、人々はPTAとか、政治党派活動、地域的なスポーツ活動などにあまり参加せず、専ら一人暮らしをする機会が増えたようです。
 確かに1−2歳児に共感を示す行動が見られても、それは生まれつきのものではない、人間固有のものではないという事が分かったという事なのでしょう。
 ポッドキャスト(ネットでの音声公開)担当者は、もし共感の能力が低下したのであれば、また上昇する可能性もあると言っていますが、どうでしょうか?
 聖書によりますと、これは当然の結果です。共感は人間生得のものではなく(だから聖書に出て来ません)、良心なども罪に満ちた悪い行為で汚され、弱くなってしまうのです。
 「きよい人々には、すべてのものがきよいのです。しかし、汚れた、不信仰な人々には、何一つきよいものはありません。それどころか、その知性と良心までも汚れています」(テトス1:15)。
 ここにある「良心」と訳されたギリシャ語スネイデーシスは、善悪を区別する魂の能力ですが、辞書などで「人間の本性」であると説明されています。しかしそれも聖書によれば、低下し弱くなってしまうものなのです。
 「ある人たちは、正しい良心を捨てて、信仰の破船に会いました」(テモテ第一1:19)。
 共感は特に他人への愛(自己愛=ナルシシズムとは反対の言葉)と関わりのあるものですが、世の終わりが近い今「不法がはびこるので、多くの人たちの愛は冷たくなります」(マタイ24:12)とあり、学生たちの共感の急激な低下はその預言の成就とも言えるでしょう。