ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

他人と比べない生き方

 香山リカさんの『くらべない幸せ』という本を読みました。
 世界がグローバル経済体制になっている世の中では、それ以前に比べ極めて競争が激しくなっています。競争するという言葉を調べますと、「他を押しのけてでも自分が優位に立とうとする気持ち」と新明解国語辞典に出ています。そのように人々は他人を意識し、少しでも他人より優位に立つべく日夜努力しています。
 この本は一般の人々の為に書かれていますが、対象はほとんど女性です。従って競争心が激しく、いつも他人と比べてしまい、勝てないと分かると落ち込んでしまう女性にはお勧めです。
 今や女性向け雑誌を主体に、他人と比較しながら「これさえ手に入れれば幸せになれる」というような特集が華やかです。そこで書かれてある事を参考に、一生懸命努力してみますが、やがて自分の能力の限界を感じてみじめな気持ちになり、それが募って大きく落ち込んでしまうという事例が相当増えているようです。一方で他人にはない高級品を手に入れ、精神的にも優位な立場に立ち、他人も羨むような生活に入ったとしても、すぐに満たされない気持ちに陥り、こんな筈ではなかったと、また別の青い鳥を求めて、際限もなく自己啓発の課題に取り組んでいる女性たちもいます。
 そのようにして女性たちは年収や恋人選びで他人と比べ、婚活が成功し結婚しても、その生活で他人と比べてしまい、万事において比較をしゴールの無い努力を強いられています。精神科医としてこうした女性たちの様々な悩みを見ている香山さんは、彼女たちの不幸を思い、第五章でくらべない生活の方法を伝授しています。
 それはつまりモノを追求し、エセ宗教にのめりこんでも、結局完全に満足出来る状態には決してなれないという事実を認める事です。それは正しいのですが、その後を読み続けると、くらべない生活の為の具体的な方法としては、今一つ踏み込みが足りません。この章を読んで、そうだ今日から他人との比較をしない生活に転換しようと決心出来る人々はどれほどいるでしょうか。そこら辺に精神科医としての香山さんの限界があります。
 ところが聖書の教えですと、そうした事はありません。
 主なる神は悩み、満たされず、渇き続けている人々に対してこう呼びかけておられます。
 「ああ。渇いている者はみな、水を求めて出て来い。金のない者も。さあ、穀物を買って食べよ。さあ、金を払わないで、穀物を買い、代価を払わないで、ぶどう酒と乳を買え」(イザヤ55:1)。
 ここで水とか穀物、乳といったものは、聖書のみことばを象徴的に示しています。それを真剣に求める人々に救い主である神イエス・キリストは答えて下さいます。その人はみことばで真の充足、幸福を得て、しかも永遠のいのちという賜物まで無償で与えられます。
 「わたしが与える水を飲む者はだれでも、決して渇くことがありません。わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水がわき出ます」(ヨハネ4:14)。
 ですからイエス・キリストは私たちに「求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます」(マタイ7:7)と挑んでおられるのです。そのような人なら必ず真の満たしを聖書に見い出すでしょう。他人との比較を止めて唯一真の幸福を与えて下さる神に拠り頼んでみて下さい。