ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

東日本大震災最中に難を逃れて子どもを産んだ母親と生きる希望について

 4月12日の朝日新聞生活欄で「患者を生きる」シリーズから、被災地での出産を取り扱った記事が出ていました。3回にわたるものです。
 妊婦は宮城県東松島市の海岸よりに住んでいた中村琴美さんです。3歳の長男と自宅で遊んでいた時、地震に襲われました。津波は目前に迫っています。それを知らせてくれたのは夫の祐樹さんでした。「津波が来るかもしれない…高台に逃げろ」。
 しかし長男を抱えて車で逃げるのは大変でしたし、道も渋滞がひどく進みませんでした。このピンチに琴美さんの友人が助けの手を差し伸べてくれました。そこでやっと高台の公園に到着、近くの避難所に泊まりました。しかし食料も水もありません。翌日そこを出て一旦津波に襲われた自宅に行き、残っていた菓子類などを自分の車に積み、友人の車と共に石巻赤十字病院まで向かいました。
 産婦人科では受け付けてくれましたが、お産までまだ一週間ほどありました。しかし病院は負傷者でいっぱい、とても中で仮眠出来ません。そこでエンジンのかからなくなった自家用車の中で、厳寒を耐え過ごしました。彼女の友人も一緒で励ましてくれました。そして夫の祐樹さんと無事再会出来ました。
 しかし琴美さんの疲労は激しく、今度も無事だった友人の両親が琴美さんの実家まで車で送ってくれました。
 この試練の中やっと安堵した琴美さんは、予定日に病院へ。そして元気な赤ちゃんを産んだのでした。
 朝日の記事で読むかぎり、琴美さんの出産までの厳しい状況で、彼女の友人が共にいてくれ助けてくれたのは大きな恵みだったと思います。もしこの友人がいなかったら、果たして親子が無事にいられたかどうか疑問です。
 私はこの記事から聖書の主なる神のみことばを思い出しました。
 「神である主はエルサレムについてこう仰せられる…あなたの生まれは、あなたが生まれた日に、へその緒を切る者もなく、水で洗ってきよめる者もなく、塩でこする者もなく、布で包んでくれる者もいなかった。だれもあなたを惜しまず、これらの事の一つでもあなたにしてやって、あなたにあわれみをかけようともしなかった。あなたの生まれた日に、あなたはきらわれて、野原に捨てられた。わたしがあなたのそばを通りかかったとき、あなたが自分の血の中でもがいているのを見て、血に染まっているあなたに、『生きよ。』と言い、血に染まっているあなたに、くり返して、『生きよ。』と言った」(エゼキエル16:3−6)。
 これは荒廃したカナンの地にて、試練の中で生まれようとしているイスラエルの譬えです。その中でイスラエルが新生する為には、常に側に居て下さる主なる神の御助けが必要でした。難産の果て生まれたイスラエルは、まだカナンの汚辱を身に帯びています。周囲から見捨てられたイスラエルは試練の只中にいます。このままでは再び死ぬばかり…。でも憐れみ深い主なる神は「生きよ」という力強いみことばを二度繰り返します。その力によりイスラエルは元気になり成長が可能となったのでした。
 今荒廃の試練にある被災者の方々にも、救い主イエス・キリストは「生きよ」、助けたご自分に「立ち返れ」と呼びかけておられます。この方に委ねて絶望せず、生きる決意を固めて下さい。