ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

タイガー・マザーの闘争賛歌にある子育ての問題点

 イェール大学法科大学院の教授をしている中国系米国人エイミー・チュア女史の自伝的な随筆『タイバー・マザーの闘争賛歌』という本が、日本語訳『タイガー・マザー(*虎のような母親の意味)』(斉藤孝訳)という題で発売されました。これは広告にもありますように「全米でベストセラー」とか「子どもに遺す親からの最高のプレゼントとは」といった言い回しが踊っているので、早速ネットで調べて見ました。勿論このような本を読む気にも買う気にもなりませんので、内容の詳細は分かりませんから、主としてタイム誌(英文)に載った賛否両論などを参考にしました。勿論日本のネットに投稿された論議もです。
 なぜタイム誌かと言いますと、この4月22日に出た「タイム誌が選ぶ『世界の100人』」の一人に、この教授の名が載ったからです。
 「虎」は国語辞書によりますと、「鋭い牙と爪を持ち、眼光の鋭いアジア特産の猛獣」などとあります。夜間に密林で吼えまくり、周囲を恐怖に陥れるようなイメージ、近距離から獲物に飛びついて噛み殺す恐ろしい動物といったイメージがあります。
 従って教授が自らの伝記にそうした題を付けたからには、長女ソフィアと次女リュリュに対して極めて恐ろしいスパルタ教育を施したに違いありません。
 その内容を日本語のサイトから借用し要約すると以下の通りです。
 1特定の用事で友だちの家に泊まる事の禁止、2遊ぶ為に友だちの家に行ったり、自宅に招いたりする事の禁止、3役に立たない学芸会に参加する事の禁止、4その理由を問う事も、不平を鳴らす事も禁止、5テレビを見たり、コンピュータ・ゲームをしたりする事の禁止、6課外活動で何をするかを自分で選ぶ事の禁止、7学業で五段階のトップ以外の成績をとる事の禁止、8体操・演劇以外の科目で「一番」になれない事の禁止、9ピアノとバイオリン以外の楽器を演奏する事の禁止、10ピアノ・バイオリンを毎日3時間をかけて演奏しない事の禁止といった具合です。
 どうです、凄く厳しい躾でしょう。ですから子どもたちが少しでも文句を言えば噛み付き、ゴミ呼ばわりして叱り倒します。またピアノの練習などが完璧でないと、愛用のぬいぐるみの動物を取り上げて燃やしてしまったり、母親の誕生日に贈ったカードが気に入らないと突き返したりしています。
 タイム誌を見ると、このスパルタ教育に対する賛否両論が延々と続いています。正反対の教育で世界のトップを行くフィンランドのやり方も紹介されています。
 ですが、日本のサイトでの読者の反応などを参考にしますと、新自由主義的な競争原理を好む読者は賛成し、そうでない人々は反対して「過激な」言葉を浴びせています。前にも取り上げた尾木直樹氏の本にもありますように、そうした従順で良い子が、或る日親をバットで殺してしまうという事態にもなりかねません。成績優秀でも社会性に乏しい大人になった「幼稚な」人は、私の高校時代の友人にもいますが、その弊害は大きいです。
 しかし日本のネットで見かけたこの本の内容には、子育ての失敗も書かれているそうです。13歳になった次女の頑強かつ執拗な反攻に屈し、スパルタ教育を放棄したという事です。当たり前でしょう。聖書の基準を一つ示します。親と子の間では聖書に基づく均衡が大切です。
 「子どもたちよ。主にあって両親に従いなさい。これは正しいことだからです。『あなたの父と母を敬え。』これは第一の戒めであり、約束を伴ったものです。すなわち、『そうしたら、あなたはしあわせになり、地上で長生きする。』という約束です。父たちよ。あなたがたも、子どもをおこらせてはいけません。かえって、主の教育と訓戒によって育てなさい」(エペソ6:1−4)。