ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

原発周辺から若い人々は逃げるのが得策

 2011年6月9日の朝日夕刊に、「原発標語4年後の悔い」という題で記事が載っていました。
 それによりますと、福島第一原発から僅か4キロの双葉町中心部に住んでいた大沼雄治さんは小学生の時、町が募集した町中心街に掲げる看板の為の標語に学校で応募しました。その標語には「原子力」という文字を入れる事になったので、「原子力明るい未来のエネルギー」と書いて、見事採用されたのです。今から24年前の事でした。
 そして双葉町のこの看板の掲げられた場所から近いところにアパートを建て、1年前知り合ったせりなさんと結婚し、東電の原発に対しては全く安全と信頼し切った生活を送っていた事でしょう。実はその原発が事故を起こした時、この上もない危険が待ち構えている事も知らずに。この東電の宣伝では「彼らのくちびるには、剣がある」(詩59:7)と、聖書で預言されていた通りでした。
 そしてあの3月11日に大震災がこの町をも襲いました。とりあえず二人は車で南相馬市に逃げました。そして第一原発の水素爆発を知って、妊娠中だったセリなさんと胎の実を守る為、大沼さんは会津若松の実家までさらに避難したのです。
 でも大沼さんは間もなく生まれる子どもの為、いっそうの安全を考え、思い切って愛知県の親類と連絡をとって、安城市の県営住宅に無事入る事が出来ました。ここならば一応放射能からは守られるでしょう。故郷の双葉町は今戻る事が出来ず、この新天地で暮らす覚悟を決めました。勿論今後も試練は続きますが、ここは安全な逃れの場です。
 原発が出す放射能による被爆、内部被爆を考えると、これは極めて大切な選択だったと思います。若い夫婦で幼い子がいる家庭の人々は、本当に逃げるが勝ちです。東電の出す情報なんて全く怪しい信頼の置けないものなので、今後こうした若夫婦の大移動は必須だと考えます。
 上記した聖書の詩59篇では、「犬のようにほえ、町をうろつき回る」(59:14)のは、双葉町の場合まさに放射能に他なりません。そこから逃げよ、逃げよと告げられたのは、もしかしたら主の御声だったのかも知れません。ですから安城は逃れの市です。
 「しかし、この私は、あなたの力を歌います。まことに、朝明けには、あなたの恵みを喜び歌います。それは、私の苦しみの日に、あなたは私のとりで、また、私の逃げ場であられたからです」(詩59:16)。
 大沼夫妻が安城という「とりで」、「逃げ場」で、試練を乗り越え、主の給う恵みを感じられたら幸いです。