ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

世界中の紙幣に化学物質ビスフェノールA(BPA)が使われている

 2011年8月11日のサイエンスデイリサイト(英文)に、「世界中の紙幣にビスフェノールAが含まれている」という題で論文が掲載されていました。
 ビスフェノールA(BPA)は「水酸基(OH基)をつけたベンゼン環(フェノール構造)を一分子中に二個もつ化合物の1種」とあります。

 ベンゼン環というのはベンゼンの炭素原子六個がつくる平面正六角形の構造をしてものです。ビスフェノールAには記号で・OHと示されるヒドロキシラジカルがついており、これが糖質・タンパク質・脂質などあらゆる物質と良く反応します。生体では通常短時間で消滅しますが(食べ物から摂取したビタミンEとかベータカロチンなどが存在すれば特にそうです)、この量が多いと連鎖的にどんどん増加してゆくそうで、究極的にはがん発生にも関与してくるそうです。
 そのようにベンゼン環を持つビスフェノールAの毒性は、早くから注目されていました。例えばそれから作られるエポキシ樹脂は、缶詰や飲料缶の内側に、金属腐食防止の為塗布されていますが、それが缶の内容物の中に溶け出す事で人体に有害な影響を与える事が分かっていました。私などは缶詰の食べ物を摂取し残した場合、缶に書かれてある警告を無視して、そのまま冷蔵庫に入れていましたが、事実を勉強したのでもう止めます。
 ところが冒頭のサイトを見ますと、何と私たちが日常使う紙幣や店で受け取る感熱紙レシートなどにビスフェノールAが含まれていたとの事で、もう少し調べてみたら、昨年12月9日にそうした事実の存在が米国の研究チームによって解明され、ネットでも一斉に報じられていた事が分かりました。
 では今回との違いは何かと言いますと、ビスフェノールAが世界21国で使用されている156枚の紙幣で見つかり、その量が家の中の細かいほこりに含まれている量より多い事、従ってそれが使用者の手などを介して札入れ、財布、ポケットまで広く「汚染」されている事、特に感熱紙レシートを受け取った時は、紙幣よりも多くの量が手の指などに付着する事などです。
 けれども手の皮膚から浸透したビスフェノールAの量は極めて僅かなので、今のところ健康に影響を与えるほどではないとありました。でもそこです。研究チームはあくまで「皮膚からの吸収を通して人体が脅威にさらされるような事態は、軽微であるように思われる」という婉曲的な言い方でした。
 東電原発事故の放射能被爆問題では、政府のあるいは東電の発表では「安全で人体への影響はない」などとよく言われましたが、それが長期にわたるとどうなのか、誰も断定出来ないという事です。むしろ体内被曝によるダメージはもっと「膨れ」長期的には健康に重大な影響を与えるものと思われます。
 聖書は「パン種=イースト菌」のたとえで、たとえ最初小さな事柄でも膨らんで重大な結果をもたらす事を警告しておられました。
 「あなたがたは、ほんのわずかのパン種が、粉のかたまり全体をふくらませることを知らないのですか」(コリント第一5:6)。