ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

排外主義の若者が増えている

 ノルウエーの銃乱射事件の事は8月8日のブログで触れた事がありますが、ブレイビク容疑者の殺害目的には、移民によりノルウエーに進出するイスラムの人々とその宗教への嫌悪感、つまり排外主義的考えが根底にあったとされています。
 ところで9月27日の朝日新聞では、ジャーナリストの安田浩一氏がその事件を対岸の火災視する事は出来なかったと言っています。なぜなら安田氏は(=日本にやって来る外国人研修生や労働者の問題を主要な関心事としています)、現在の少なからぬ日本の若者たちが同じような排外主義の思想を持っていて、その「若者たちの言葉や表情に重なってしまった」からだと言っています。
 そうした話はこれまで全く耳にしていなかったわけではないのですが、この記事を読み、改めて過激な言動をとる若者たちの実態を垣間見ました。
 この排外主義的な若者たちの組織を「在日特権を許さない市民の会」と呼ぶのだそうです。彼らは勿論ブレイビク容疑者のような武器は持てませんが、各地で激しい抗議デモを繰り返しているそうです。
 なぜそんな行動に走るのでしょうか?朝鮮学校の授業料無償化とか、外国籍住民への生活保護支給が不当であって、到底許されないと考えている為です。或いは近隣の公園を利用しての授業などは不法占拠だと考えているからです。
 その背景には彼ら日本の多くの若者たちの貧困化と就労困難があるようです。「多くの日本人が貧困を理由に自殺している。そうした状況で外国人の生活や固有に便宜が図られることじたいがおかしい。日本は日本人だけのものだ」。これは彼らの考え方の大部分を集約していると思います。完全な排外主義思想です。
特に理由あって日本にいる韓国人や、最近わりによく入国している東南アジア関係の人々が標的にされています。
 極めて身勝手とは言えますが、彼らの貧困、高い失業率を考えると、安定した社会福祉対策や雇用対策が備わっていれば、その数はかなり減少するのではないでしょうか。
 では米国の若者、そして大人の社会ではどうでしょうか?勿論昔から人種差別が根強い国ですが、先年成立したアリゾナ州の不法移民取締法に続いて、この9月1日からアラバマ州でも「全米で最も非情で最も厳しい移民法が施行」(ニューヨークタイムズ)されています。これはイスラム系やラテンアメリカ系の移住者(不法を含む)に対する強い排外主義思想の表れです。彼らを助けようとする自国のクリスチャンたちでさえ、処罰の対象となっています。
 どうもおかしい、各国で排外主義思想が徐々に増えているようです。聖書ではどう言っているでしょうか。
 「在留異国人を苦しめてはならない。しいたげてはならない。あなたがたも、かつてはエジプトの国で、在留異国人であったからである」(出エジプト22:21)。
 この「在留異国人」と訳されたゲールというヘブル語は、他にも「在留外国人」、「外国人」、「移住者」、「よそ者」、「短期滞在者」などと置き換える事が出来ます。イスラエル或いはヘブル人は出エジプトの時一緒に脱出した外国人を排除したでしょうか。違います。上記みことばは神のご命令です。彼らはそれを守って来ました。
 ではイスラエル(バビロン捕囚以降ユダヤ人と呼ばれています)の現状はどうでしょうか。既に新約の時代から信仰により異邦人のクリスチャンたちも、ユダヤ人クリスチャンたちと共に行動していた事がありますが、今は彼らの国に同居するパレスチナ人が根強い排除の対象となっています。それは明らかにイスラエルの「罪」です。この心の罪という根源的な問題が解決されていないので、以下のようになるからです。
 「不法がはびこるので、多くの人たちの愛は冷たくなります」(マタイ24:12)。