ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

十戒は依然として人々の心に刻まれているのか

 9月28日のハフポストサイト(英文)に、「十戒とは何なのか、また何でないのか」といった題の小論文が載っていました。書いたのはルーテル神学大学の准教授をしている牧師エリック・D・バレットという人です。
 十戒チャールトン・ヘストンが旧約のモーセの役割をした壮大な映画ではなはだ有名になっています。

 十戒に関する説教は各教会のサイトでも見つかると思いますが、バレット牧師がハフィントン・ポストという米国のリベラル系インターネットサイトで書いたという事は、今日の米国の一般市民の信仰状況を知る為に参考となります。
 2007年の調査によりますと、米国の人々は十戒よりもビッグマックの素材の方がすらすら唱えられたそうです。ですからどれ位の人々が十戒を全て挙げられるかと言いますと、極めて少なくなっているようです。
 にもかかわらず十戒がいまだに米国の政治や文化で強力な役割を果たしている事は否めません。しかし出エジプト記20章にある十戒の十の戒めは番号で示されているわけではないので、長い文脈の中からそれを同定するのは結構難しいです。
 そこで最初に番号順に示して見ると、1あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない、2あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない、3あなたは、あなたの神、主の御名を、みだりに唱えてはならない、4安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ、5あなたの父と母を敬え、6殺してはならない、7姦淫してはならない、8盗んではならない、9あなたの隣人に対し、偽りの証言をしてはならない、10あなたの隣人の家を欲しがってはならないとなります。その聖句の間にいろいろ説明の言葉が入っているので、上記のようにさらさら答えるのが難しいのです。
 1〜4まではイスラエルと神、5〜10はイスラエルと隣人との関係を取り扱っています。それを新約のイエス・キリストがさらに絞って簡潔に語っておられます。
 「『心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くし、知性を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』また『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ』」(ルカ10:27)。
 十戒にせよ、主イエスのみことばにせよ極めて簡略で、具体的な事も出エジプト20章以後それほど多くありませんから、今日に適用しようとすると、バレット牧師によれば、各国の事情で「複雑な意味合いを持たせられる」事になります。とにかく当初「特別な場所で、特別な民に」与えられたものだからです。でも牧師は最後にこう言っています。「十戒はあらゆる人々が承認する基本的な道徳を明確に述べている。それは確かである」と。殺してはならない、ウソをついてはならないといった事に異議を唱える人々を見出すのは難しいでしょう。しかし十戒が全く浸透していない日本では、その教えの全てにわたり反発する人だっているかも知れません。なぜ人を殺してはいけないの?といった質問が簡単に出て来る文化的風土ですから。それに一神教に対する反発も当然出るでしょう。