ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

東日本大震災後の閉塞状況とショック・ドクトリン

 ショック・ドクトリンという言葉を知ったのは、朝日新聞に近頃載った岩波書店の近刊広告によってです。筆者はナオミ・クラインという女性で、カナダのジャーナリスト、作家、活動家です。検索すればユー・チューブにて彼女の考え方がよく分かります(http://www.youtube.com/watch?v=6iGLifiaUmE&feature=related)。

 それでこのショック・ドクトリンがどういう事なのかを調べて見ますと、上記の彼女の英語のビデオに出て来る字幕から、経済の崩壊でも、天災でも、テロでも戦争でもOK、人々が混乱して自分を見失った一瞬のすきを衝いて、経済のショック療法を強引に行なう教義の事と言えるでしょう。それにはM・フリードマンなど、自由市場経済を提唱してきた経済学者たちの思想が根底にあります。日本で言えば小泉内閣の時の竹中平蔵あたりでしょう(対照的なのが、東大で公害関係の自主講座を開いていた故宇井純氏で、この市場原理主義と最も激しく戦っていたそうです)。
 ですからブルームバーグサイトの特別寄稿者ウイリアム・ペセック氏によると、長年にわたりデフレが深まり、賃金が滞り、失業率も高く、国庫借入金が大幅に増加していた3月11日以前の日本は、政治的に最悪の時であり、その経済的・政治的危機の只中で東日本大震災が起こった為、このショックは大きく、まさにナオミ・クライン氏が指摘したような状況が目の前に出現したという事になります。それ故政治家たちはよほど心して腕をまくり、国民の為に汗を流さなければならないのに、早々と野田内閣は消費税増税とか、原子力の輸出とか、TPP(環太平洋経済連携協議)への参加など、それまでに表面化していた貧困層原発事故被災者、農民など「茫然自失の人々」(以下天声人語より)を犠牲に、「改革と称してひともうけを企む勢力」を増大させようとしています。
 火事場泥棒をしようとしているのは外国企業も同様で、どうも原発関係で故障の多い汚染水処理会社キュリオン社とか、フランスのアレバ社などは怪しいと思いますし、仙台市に進出を決めた通販サイト大手のアマゾンなども、千人の雇用機会を創出すると言いながら、現地の失業者たちを使い捨てにし、顧客第一主義でかなわない書店、ネット書店などを根こそぎ駄目にしてしまう意図があるように感じます。そうした人や中小企業の弱みに付け込む強欲なグローバル企業などを、聖書では次のように言っています。
 「歯が剣のようで、きばが刀のような世代。彼らは地の苦しむ者を、人のうちの貧しい者を食い尽くす」(箴言30:14)。
 世代を強欲な人々と言い換えれば、ぴったり当て嵌まります。天声人語筆者が言うように、「東北3県は、スーツ姿の火事場泥棒にもご用心」という事でしょう。