ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

DNAの塩基配列決定は完全でなく、その過程で少なからぬ汚染がある

 仕事が忙しかった2月に重要な論文を見逃していました。コネティカット大学のマーク・ロンゴ大学院生、マイケル・オニール準教授、レイチェル・オニール準教授による「霊長類でないもののゲノムデータベースで確認された人間DNAによるたくさんの汚染」という題の論文です。フィズオルグサイトで見つけたものですがそれは要約で、プロスワンサイトに全文が載っています(http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0016410)。
 それによりますと、研究者たちは類人猿に固有のSINE(短い散在反復配列)である、AluY因子(人間のゲノム中に100万以上も存在する282の塩基対)を用いて、国立生物工学情報センター、カリフォルニア大学サンタクルーズ校、ジョイント ゲノム研究所、アンサンブルゲノムブラウザというところに保管されているトレースアーカイブ(ATCGの4つの文字で表現される塩基配列は配列決定装置からの出力波形データをもとに決定されている。その波形データ等の保存記録を指す)を調べました。それには高速で読み解くブラスチン・アラインメント・アルゴリズムという方法が用いられました。
 この結果ですが、プロスワンの論文の冒頭部に2,749のデータ集合体から492の配列に人間の配列による汚染があった(18パーセント)と書かれています。しかしその少しあとで、この数字が2,027のデータ集合体から454の配列に人間の配列による汚染があった(22.39パーセント)とも書かれており、私にはその異動がどうしてなのか、論文から読み取れません。参考までにオックスフォード大学、サイエンティスト、ネイチャー、ニューヨークタイムズなどの紹介記事も読みましたが、やはりまちまちでした。
 それでここではフィズオルグサイトのもの(数字は上記の下のもので、「少なくも22パーセント」と記されています)を標準に考えてみます。
 例えば魚のゲノムの一部で、人間のものが有り得ないところに人間のものが入り込んでいるという事実から、魚のデータ集合体の汚染という事が判明します。
この汚染原因は塩基配列決定以前の過程で人間の皮膚や髪の毛といったものが、そこに入り込んでいたという事です。
 そうした論理からすると、人間のゲノムデータ集合体に人間のものの汚染があったとしても、AluY因子を用いてそれを発見するのは実質不可能になります。それでロンゴ氏はこれは恐ろしい誤りをもたらすかも知れないと危惧しています。国立生物工学情報センターには、がん細胞で生じた突然変異を記録した文書であるがんゲノム地図というものもありますから、全く別の見本からの汚染に過ぎず事実ではないのに、あなたには乳がん突然変異がありますよなどと通告されたら、その女の人は気が動転してしまうでしょう。そのように医療への適用でのミスが大いに有り得ます。犯罪捜査でのDNA鑑定の信憑性も揺らいでしまうのではないでしょうか。
 ニューヨークタイムズでは、「ロンゴ氏の言っている汚染は我々には見つからない」と反論する研究者の事も紹介しています。果たしてどうなのでしょうか。
 この汚染を聖書に適用してみると、主なる神は「聖である」(詩99:3)、つまり罪という汚染が一つも存在しない聖なる方です。一方人間は逆で罪深く、聖なる神からすれば100パーセント罪で汚染されていると言えます。「しかし、汚れた、不信仰な人々には、何一つきよいものはありません。それどころか、その知性と良心までも汚れています」(テトス1:15)。では救われた聖徒たちはどうでしょうか。彼らも地上では罪深いにもかかわらず、イエス・キリストは「わたしがあなたがたに話したことばによって、もうきよいのです」(ヨハネ15:3)と一方的に宣言して下さったのです。
 ですから聖徒は「しみも傷もない者として、平安をもって御前に出られるように、励みなさい」(ペテロ第二3:14)との勧めがされています。責任重大です!