ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

TPP交渉圧力

 既に管首相の時からTPP(環太平洋経済連携協定)加入交渉に向けて地ならしが始まったと思いますが、これは米国や日本の役人の言いなりになっている現野田首相には、相当な交渉圧力となっています。
 実はTPPについて前から出ていた本を何冊か読んで勉強してみましたが、最初に出て来る日本の農業の複雑な構造についてよく分からず、ざっと読み通す位になってしまいました。
 ところがこの所米国の圧力もあって、その交渉と実現への道が俄然近づくにつれて、多くの団体や政党から反対の声が上がっています。その人々は農業問題の専門家でしょうから、理詰めによるTPP反対の圧力もまた先鋭化してゆくのではないかと思います。是非頑張って欲しいと思います。なぜそう思うのかという事ですが、やはり米国の市場原理を基調とする新自由主義経済体制が、小泉内閣の頃日本に浸透し、競争原理による格差があらゆる分野で生じ、日本の古き良き伝統(全面的に賛成というわけではありませんが)が根こそぎにされたという実感があるからです。
 それは例えば郵政民営化で庶民に身近であった郵便局がせわしなくなり、遠い存在となったり、企業から正社員が相当に消え、至るところで失業者の群れが増加し、ハローワークも機能不全に陥ったり(私のような年齢と身体の弱さでは就職などほぼ絶望的です)、学校で弱者が陰湿ないじめに会ったり、一向に自殺者数が減らないとか、幾らでも挙げる事が出来ます。
 東日本大震災後ますます弱体化した日本に、現在不況が深刻化している米国が再び席捲しようとする意図を感じてしまうのです。農業で言えば、有機栽培で都会の必要に応じている比較的小規模な農家など全滅してしまうのではないかと考えてしまいます。タイミングからすれば、ナオミ・クライン氏が「ショックドクトリン」で述べているような事が、これからどんどん増加してゆく可能性があります。
 それ以上に衝撃だったのは、このTPPに医療分野での規制緩和も含まれているという事実を知った事です。米国で誰もが安心出来るような保険制度改革が、オバマいじめでどんどん挫折し、医療費の払えない人間は死ねみたいな光景が繰り広げられていますが、このTPP締結で日本でも現実化しないとは断言出来ません。
 そうした中、旧大蔵省でミスター円の異名を持ち、経済界に大きな影響力を持つ榊原英資氏でさえ、朝日新聞11月2日号で反対の意見を述べていました。米国が米国基準を押しつけて来て、日本が守るべき固有の制度が崩れてしまうのではないかと氏は心配しています。それは日本にしかない公的医療保険制度の一角が崩れる可能性の事も指しています。とにかく氏はTPPが「単なる貿易自由化の協定ではない」と断言しているのです。
 こうした大物の発言でTPPが阻止され、日本が救われたらよいなと切に感じます。ちなみに11月3日の内田樹研究室のブログで同様な警鐘が鳴らされています(http://blog.tatsuru.com/)。
 聖書でも大国アッシリアの圧力で屈辱的支配を受けそうになった南ユダ王国の王ヒゼキヤの事例があります。その時の救世主は勿論主なる神でした。
 アッシリア王セナケリブの使いラブ・シャケは、エルサレムに出向いて、ユダ王国の指導者たちを脅し、また懐柔しようとしました。
 「こうして、ラブ・シャケはつっ立って、ユダのことばで大声に呼ばわって、言った。『大王、アッシリヤの王のことばを聞け。王はこう言われる。ヒゼキヤにごまかされるな。あれはおまえたちを救い出すことはできない。ヒゼキヤが、主は必ずわれわれを救い出してくださる、この町は決してアッシリヤの王の手に渡されることはない、と言って、おまえたちに主を信頼させようとするが、そうはさせない。ヒゼキヤの言うことを聞くな。アッシリヤの王はこう言っておられるからだ。私と和を結び、私に降参せよ。そうすれば、おまえたちはみな、自分のぶどうと自分のいちじくを食べ、また、自分の井戸の水を飲めるのだ。その後、私が来て、おまえたちの国と同じような国におまえたちを連れて行こう。そこは穀物とぶどう酒の地、パンとぶどう畑の地である」(イザヤ36:13−17)。
 この恫喝と懐柔策ははなはだ救い主なる神のみこころを損ねた為、包囲していたアッシリア軍は一夜にして全滅し、セナケリブは自分の息子たちに暗殺されました。
 この聖書のみことばを米国とそれに屈服しそうな野田首相に対比させると、良く似ているではありませんか?