ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

米国での自殺事情

 既にこのブログでは斉藤貴男氏の著作から、日本での自殺の背景について触れた事があります。
 それに対して米国ではどうかと言いますと、古い統計では自殺者数は一般に日本の半分以下と言われています。しかし最近では経済不況や戦争等が契機となっての自殺者数は、相当急激に増えているのではないかと思います。
 特にイラク・アフガン戦争後の現役軍人や退役軍人の自殺が目だっているようです。それが兵役の無い日本との大きな違いでしょう。
 2011年11月3日のハフポストサイトでは、新アメリカ安全保障センターから出した論文(http://www.cnas.org/files/documents/publications/CNAS_LosingTheBattle_HarrellBerglass.pdf)を基に、「退役軍人が80分毎に自殺による死を遂げている」という題で、論文の要旨を紹介していました。そこで上記PDFファイル(全12ページ)を印刷して調べて見ました。マーガレット・C・ハレル博士とナンシー・バーグラス博士による共同論文です。
 ネット情報では米国は、ベトナム戦争終結後の1973年以降、徴兵を停止したとあります。しかし7年後再び選抜徴兵登録制度が復活したとも書かれています。そこのところが今一つ分かりにくいのですが、上記論文では「全志願制軍隊」となっており、「徴兵制」ではないようです。
 そして書き出し部分では「軍人と退役軍人の自殺は、アメリカの全志願制軍隊の健全な状態に疑問を投げかけている」とあります。
 軍人の大量喪失が軍隊を崩壊させる事は、戦前の日本を見れば明らかですが、米国では特にイラク・アフガン戦争中での軍人と退役軍人の自殺の急激な増加は、以前にも増して長く続く害を与えそうです。なぜなら軍務が自殺と結び付いてしまえば、将来は現在と同じ位若くてはつらつとした有望な者たちを採用出来るか疑問になるからです。特に退役軍人の自殺が地域社会に与える影響は無視出来ないという事になります。実際上記したように、退役軍人が80分毎に自殺しているそうで、軍経験者は全米で1パーセントにも満たないのに、その20パーセントが自殺している事になるので、かなり深刻です。
 ですから彼らの心のケアという事が大切になって来ます。軍務についている時の自殺は、いじめとかしごきが主体ですが、問題は軍隊を離れた時です。軍務中で培った結束性とか友情から切り離され、折からの不況で社会に投げ出された退役軍人(貧困者が多いです)は、とりわけPTSDに悩まされており、そのフォローが不十分なので、鬱やアルコール中毒のまま、私的に携行していた拳銃などで自殺してしまいます(その割合は48パーセント)。
 共著者たちは最後に、そうした配備を解かれた退役軍人たちの自殺リスクが今後ひどくなりそうなので、彼らの名誉を守り、将来の健康を確保する事が、全志願制軍隊を維持してゆくのに喫緊事であると結んでいます。
 聖書でも自殺しないよう呼びかけている箇所があります。
 「自分の時が来ないのに、なぜ死のうとするのか」(伝道7:17)。
 しかしそれ以上に、心の重荷を持っている退役軍人たちが、救い主に全て委ねる事が第一です。
 「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」(マタイ11:28)。
 そしてその救い主イエス・キリストを信じた人々が、今度は「平和をつくる者」(マタイ5:9)となる事が必須です。
 彼らが平和的手段で「軍隊を占拠せよ!」となったら、軍隊は内部から崩壊し、多くの悲惨な戦争が回避されるのですが…それは幻想でしょう。聖書の預言はこれから「戦争や暴動のことを聞いても、こわがってはいけません。それは、初めに必ず起こることです。だが、終わりは、すぐには来ません」(ルカ21:9)といった預言もあるからです。