ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

英国セラフィールドで新たにMOX工場新設

 2011年12月3日の朝日新聞には「英、MOX工場新設へー日本からの受け入れ視野」という小さな記事が載っていました。
 MOXというのは、これまでも触れた事がありますが、「プルトニウム・ウラン混合酸化物」の省略です。これを燃料として原子炉で燃やし、エネルギーを取り出すという事です。
 この流れですが、核化学の第一人者故高木仁三郎氏の説明(『証言』)によれば、「核燃料は、ウラン鉱石の採掘から始まり、精錬、転換、濃縮、再転換、成形加工の各過程をへて原子炉で燃やされる。プルトニウムを利用する場合は、発電を終えた使用済み燃料の再処理を行ない、取り出したプルトニウムをさらに燃料に成形加工してプルトニウム燃料(MOX燃料)を製造する」とあります。
 このMOXを効率的に利用して稼動させようとしたのが、高速増殖炉もんじゅでした。通常の原子炉(軽水炉)の冷却には今度の原発事故でも分かるように、水が使われていますが、高速増殖炉では金属のナトリウムが冷却の為に使われます。このもんじゅが未だに稼動出来ない理由は、1995年に生じたナトリウム漏洩火災事故の為です。この冷却材と世界最強の毒性を持つ人工元素(番号94)プルトニウムの一体使用について、高木氏は「技術的退廃」、小出裕章氏は「無用の長物」と呼んでいます。
 しかしこのMOX燃料は高速増殖炉だけでなく、普通の軽水炉でも使用可能である為(本当なのか?)、今度の福島原発3号機でそれが使用されており、事故により同じく停止中です。小出氏の表によれば、現在稼動しているのは高浜原発3号機、伊方原発3号機、玄海原発3号機(*現在裁判中で、MOX燃料を使用しない4号機が近頃運転再開)で、今後は現在運転停止中のものも含め、泊、大間、女川、浜岡、志賀、高浜4号機、島根の名前が挙げられています。
 なぜこうも問題のあるMOX燃料にこだわるのかと言えば、小出氏が指摘するように、「将来的に核兵器を製造しようという下心があるからです」。だから核拡散防止条約では日本でのプルトニウムそのものの保有を禁止しているのです。その為躍起になってそれを消費する為に編み出されたのが「プルサーマル計画」でした。
 このMOX燃料、日本では青森県六ヶ所村の広大な敷地内で新工場建設の計画が立てられています。しかしトラブル続きと地域住民などの強力な反対運動で、いつ完成するのか未定です。
 こうした日本の状況下で、英国のセラフィールドMOX燃料再処理工場は8月3日正式に閉鎖されました。ガーディアン雑誌が報じています(http://www.guardian.co.uk/environment/2011/aug/03/sellafield-mox-plant-close)。

 ここは日本からの受注が100パーセントを占めていたそうです。
 しかるに冒頭でも触れたように、英国政府は12月1日新たにMOX燃料工場を新設するというのです。それは日本からの受け入れを視野に入れている為だそうです。廃止から4ヶ月も経過して新たに計画案が出たのは、裏に日本の電力会社の強い要請(賄賂も?)があったからに決まっています。がっくり来たのは私だけではないはずです。そこで聖書の箇所から引用します。
 「敬虔な者はこの地から消えうせ、人の間に、正しい者はひとりもいない。みな血を流そうと待ち伏せし、互いに網をかけ合って捕えようとする。彼らの手は悪事を働くのに巧みで、役人は物を求め、さばきつかさは報酬に応じてさばき、有力者は自分の欲するままを語り、こうして事を曲げている」(ミカ7:2−3)。
 あくまで原発を推進しようとする日本・英国政府、電力会社、原発から飛散した放射性物質は東電のものではないという裁決を下した東京地裁など、声高に抗議しても耳を貸さない人々には、上記聖書箇所の次の聖句「あなたの刑罰の日が、あなたを見張る者の日が来る」(同7:4)に委ねるしかありません。