ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

共和党大統領候補ギングリッチの無視出来ない発言

 米国では今2012年度の大統領選に向けていろいろな人が名乗りを上げています。既にこのブログで触れたように、ハーマン・ケインは「失脚し」、現在ニュートン・リロイ・ギングリッチ(米国サイトを見るとニュート・ギングリッチ名でよく出て来ます)なる人物が勢いを増しているように見えます。
 彼の履歴をウイキペディアで調べると、大学では近代ヨーロッパ史を学び、またその歴史を教えていた経験があるそうです。それから政治家を目指し共和党の下院議員となり、その議長を務めた経験もあります。政界引退後も大学や研究所で活躍し、大統領選立候補表明は今度で二回目です。
 そのギングリッチが12月9日歴史を専攻しているのに、ユダヤ系ケーブルテレビの取材を受けた時、パレスチナ問題で極めて粗末な発言をしました。それは1パレスチナ人は「創作された民」であり、実際はアラブ人である、2彼らは「テロリスト」であり、学校で「テロ」を教えているというものです。
 これはパレスチナ自治政府のみならず、アラブ連盟からも、共和党の仲間たちからも総すかんを食らっています。その自治政府首相のファイヤド氏は「イスラエル人の最も過激な者もこんなに馬鹿げた言い方はしない」と抗議しています。
 1の間違い。12月11日のハフポストでチャールズ・G・コーガン氏が書いた論文に添えられていた「意見」が手際よく纏めています。私が若干補足して纏めると「パレスチナ人はアラビア語を話しますが、アラブ人ではありません。ローマ帝国による紀元135年のユダヤ国家滅亡後、彼らは離散し(ディアスポラ)、ローマはそこをパレスチナと改称しました。でもそこに残っていた人々がおり、今日に至るまでの間にイスラム教やキリスト教に改宗しました。その人々の子孫がパレスチナ人なのです。ですからディアスポラユダヤ人たちは他国で自己の信仰を守り、パレスチナユダヤ人たちは自国に留まりながらもそのユダヤ教信仰を捨てました」。1945年の世界大戦終了後、英国管理下のパレスチナではアラブ人もそこにいましたが、1948年ディアスポラから戻ったユダヤ人たちが国家としての独立宣言を行いました。しかしその直後起きたユダヤアラブ連盟との戦争で、ユダヤが大勝利を収めた為、65万ものパレスチナ人の難民化が生じたわけです。それでもユダヤ国家(=イスラエル)はユダヤ人の難民を全て国民として受け入れています。ですから「創作された民」は間違いです。
 2の間違い。もう上記でお分かりでしょうが、この国にはれっきとしたメシアニック・ジュー(救い主イエス・キリストを信じるユダヤ人たち)がいます。彼らが「テロリスト」であるはずはありません。この国にいて難民化したアラブ人の一部が過激派となり、「テロ活動」を行なっているだけです。そこを一緒くたにされてはたまったものではありません。
 ですからギングリッチは幾ら大統領選を有利にする為とはいえ、この歴史を歪める事は出来ません。
 12月7日のハフポストサイトで歴史家のロバート・マクエルヴェインという人が「ケインの党」という題で、保守的クリスチャンを自称する共和党を揶揄しています。
 共和党ではかつてリンカーンが大統領となり、奴隷解放の面で大きな功績を上げました(インディアンは排除しましたが)。それで議員たちはリンカーンの党などと呼んで、選挙を有利にという思惑があったのでしょう。皆ほぼキリスト教の党などと自称しています。しかし実態はどうか。1飢えた者に糧を与えず、渇いた者に水を与えない、2在留異国人を歓迎しない、3裸の者に着物を着せてあげない、4病気の人に仕えず、獄中にある人々を訪問しない、という点をマクエルヴェイン氏は挙げて、それらが全て聖書に反している事を指摘しています。
 ケインは既に退場しましたが、彼の名前の綴りは創世4に登場する邦訳「カイン」と同じです。彼はアダムとエバの最初の子として弟アベルを殺すという、恐ろしい罪を犯しました。しかし彼は神の御前にしらばくれて、「あなたの弟アベルは、どこにいるのか」との質問に対し、「知りません。私は、自分の弟の番人なのでしょうか」と言っています。これはギングリッチが米国の貧しい者たちを知らないし、面倒を見ないという事に適用出来ます。実際ハフポスト12月13日号によると、彼は働く場が無いのに、貧者の若者たちは働かないなどと口を極めて非難しています。
 ですから今や「リンカーンの党」は、「カイン(最初の殺人者)の党」と名前を変えたほうが良いとマクエルヴェイン氏は言っています。なるほど納得です。